自己都合でも給付制限がかからない場合とは
自分から辞めたのだから、しばらく給付は出ない。そう思って相談に行かない人がいます。
先に結論を書きます。自己都合でも、給付制限がかからない場合があります。しかも判断するのは会社ではなく、ハローワークです。
「自己都合」と書かれていても確定ではない
離職票には会社が記載した離職理由が入りますが、最終的に判断するのはハローワークです。本人が事情を申し立てれば、内容を確認したうえで区分が変わることがあります。
退職届に「一身上の都合により」と書いていても、それだけで決まるわけではありません。

正当な理由として扱われうる事情
「特定理由離職者」などに該当すると、給付制限がかからない扱いになります。代表的な事情は次のとおりです。
| 事情 | 補足 |
|---|---|
| 体調・けがで働き続けられない | 医師の証明が必要になります |
| 家族の介護・看護 | 同居や扶養の状況を確認されます |
| 配偶者の転勤などで通勤が困難に | 通勤時間の目安が決まっています |
| 期間の定めのある契約が更新されなかった | 本人が更新を希望していた場合 |
| 結婚にともなう転居 | 通勤が困難になる場合 |
| 会社の事情(賃金未払い、大幅な減給、ハラスメントなど) | 会社都合に近い扱いになることがあります |
賃金の未払いや長時間労働、ハラスメントが理由の場合は、自己都合ではなく会社都合に近い区分になりうる点は、知られていないところです。
証明できるものを残しておく
申し立てには裏づけが要ります。辞める前から集めておけるものがあります。
- 医師の診断書、通院の記録
- 勤務時間が分かるもの(タイムカードの控え、勤怠システムの画面)
- 賃金が下がったことが分かる給与明細
- 通勤経路と所要時間が分かるもの
- 相談した記録(社内窓口・労働局など)
辞めてから集めようとすると、会社に依頼しづらくなります。在職中に手元へ置いておくほうが確実です。
教育訓練を受けた場合の扱い
2025年4月以降、離職期間中または離職日前1年以内に、自ら教育訓練を受けた場合は給付制限がかからない扱いになりました。
対象になる訓練の範囲は決まっているので、受講を決める前にハローワークで確認してください。資格を取りたいと考えているなら、順番を工夫するだけで受給開始が早まる可能性があります。
迷ったら、申し立てだけはしておく
ハローワークの窓口では、離職理由について本人の認識を聞かれます。ここで「会社の記載どおりで問題ありません」と答えてしまうと、そこで確定します。
事情があるなら、その場で伝えてください。書類が揃っていなくても、後から提出できる場合があります。
今日やるとしたら
辞める理由が体調・介護・労働条件のいずれかに関係しているなら、その事実を裏づける資料を1つ、手元に確保してください。
診断書1枚、勤怠記録の写し1枚で、受け取れる時期が1か月変わることがあります。
よくある質問
- 自己都合でもすぐ受け取れる場合はありますか?
- あります。医師の指示による退職、家族の介護、配偶者の転勤にともなう転居など、正当な理由があると認められた場合は給付制限がかかりません。
- 退職届に「一身上の都合」と書いたら自己都合で確定しますか?
- 確定しません。ハローワークは離職票の内容と本人の申し立ての両方を見て判断します。事情がある場合は申し立ててください。
- 教育訓練を受ければ給付制限はなくなりますか?
- 2025年4月以降、離職期間中や離職日前1年以内に自ら教育訓練を受けた場合は給付制限がかからない扱いになりました。対象になる訓練かどうかはハローワークで確認してください。