賃金は何歳で上がらなくなるのか。年代別のデータで見る

市場価値 公開 2026-09-18 更新 2026-10-13

グラフを書いたノート

給与がここ数年ほとんど変わっていない。このまま続けて上がるのか、それとも止まったのか。

業種によって、伸びる時期と止まる時期ははっきり違います。自分の業種のカーブを知っておくと、動く時期の判断ができます。

医療・福祉はどんなカーブを描くのか

令和7年の調査から、医療・福祉の年代別の賃金(月額・所定内給与・男女計)を並べます。

年代賃金
20〜24歳24万9000円
25〜29歳27万7300円
30〜34歳29万8800円
35〜39歳32万1500円
40〜44歳32万8600円
45〜49歳33万円
50〜54歳33万7000円
55〜59歳34万7800円

30代後半までは5歳区切りごとに2万〜3万円前後上がりますが、35〜39歳から45〜49歳までの10年では1万円に届きません。ここが分かれ目です。

グラフを書いたノート

この表を読むときは、3つの点に気をつけてください。

  • 所定内給与は、残業代や賞与を含まない毎月の決まった給与です。年収とは違います
  • 男女計の平均で、雇用形態や職種の違いもまとめた値です
  • 同じ年に働いている人を年代ごとに並べたもので、同じ人の給与が年を追ってこう変わる、という記録ではありません

自分の給与と比べるなら、給与明細の基本給と毎月決まって出る手当を足した額を使うと、同じ基準に近づきます。

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全産業と比べるとどう違うのか

同じ調査の全産業(男女計)は、年齢計で34万600円です。医療・福祉の31万5700円より約2万4000円高くなっています。

より大きな違いはカーブの形です。全産業では50代半ばまで上がり続ける業種が多く、たとえば電気・ガス・熱供給・水道業は55〜59歳で58万3300円まで伸びます。医療・福祉は34万7800円です。

つまり若いうちの差は小さく、年齢が上がるほど業種の差が開く構造になっています。

医療・福祉という区分には、医師や看護師から介護職、保育士、事務職まで、給与水準の違う仕事が一緒に入っています。自分の仕事に近い数字を見たいときは、同じ調査の職種別の集計を見るほうが参考になります。平均の数字がサイトによって違って見える理由は「平均年収」がサイトごとに違うのはなぜかにまとめています。

なぜ医療・福祉は早く止まるのか

理由として考えられるのは、資格に紐づく給与体系です。

  • 資格手当は取得した時点で確定し、その後は増えない
  • 役職の数が限られており、枠が空かないと上がらない
  • 夜勤の回数は体力とともに減っていく(手当も減る)

基本給の伸びより、手当の構成で決まっている部分が大きいと考えられます。

自分の職場に当てはまるかは、給与明細で基本給と各種手当の割合を見ると見当がつきます。手当の割合が大きく、基本給が毎年わずかしか動いていないなら、上の理由に近い形で給与が決まっている可能性があります。

横ばいに入ったときに確認すること

賃金が止まったからといって、すぐ動く必要はありません。確認するのは次の3つです。

  1. 同じ業種の他の職場でも同じか(事業所の規模や加算の取得区分で差が出ます)
  2. 自分の事業所で上がる道が残っているか(役職、資格、夜勤以外の手当)
  3. その道に進むために必要な年数

3つ目が「あと5年」なら、その5年で得られる額と、いま動いた場合の額を比べられます。

2つ目を確かめるには、就業規則とあわせて給与規程(賃金規程)を見ます。昇給の仕組みが号俸表で決まっているのか、評価で決まるのか、上限があるのかが書かれていることがあります。見たことがなければ、事務や人事の担当者にどこで見られるかを聞いてください。

介護の職場なら、処遇改善の加算をどの区分で取っているかでも、手当の額が変わることがあります。区分や配分の方法は、職場に聞いて確かめられます。

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動くなら早いほうがいい理由

年齢が上がると、未経験の職種に移るのは難しくなる傾向があります。一方で、同じ職種の中で移るぶんには、経験年数はむしろ有利に働きます。

伸びが鈍り始めた時点で選択肢を確認しておくと、完全に横ばいになってから慌てずに済みます。

ただし、同じ職種で移る場合でも、次の職場の給与が経験年数をどこまで反映するかは、職場ごとに違います。応募前や面接で「前職の経験年数は、給与にどう反映されますか」と聞いておくと、移った場合の額を見積もりやすくなります。転職で賃金が増えた人の割合を年代別に見たデータは転職して賃金が増えた人は40.8%にまとめています。

今日やるとしたら

過去3年の源泉徴収票を並べて、支給額の推移を見てください。

伸びているのか、止まっているのか。この1点が分かるだけで、次に何を調べるべきかが決まります。

よくある質問

医療・福祉の賃金は何歳で頭打ちになりますか?
令和7年の調査では、35〜39歳で32万1500円、45〜49歳で33万円と、35歳を過ぎると上がり方がゆるやかになります。
賃金が横ばいになったら転職したほうがいいですか?
横ばい自体は転職の理由になりません。ただし、同じ業種の他の職場でも同じなのかを確認しておく価値はあります。
年齢が上がると転職で不利になりますか?
未経験の職種では不利になりますが、同じ職種であれば経験年数と任された範囲が見られます。

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