男女の賃金差はどれくらいあるのか。数字の中身を分けて見る
求人票の給与を見て、自分の額と比べる。そのとき「これは低いのか、こんなものなのか」が分からない。
全体としては差がありますが、その差の多くは職種と勤続年数の違いから生まれています。自分の位置を知るには、同じ条件で比べる必要があります。
全体ではどれくらい違うのか
令和7年の賃金構造基本統計調査(一般労働者・月額・所定内給与)では、次のようになっています。
| 賃金 | 前年比 | |
|---|---|---|
| 男女計 | 34万600円 | +3.1% |
| 男性 | 37万3400円 | +2.8% |
| 女性 | 28万5900円 | +3.9% |
男性を100としたときの女性の水準は76.6です。金額の差は月8万7500円になります。

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差は縮まっているのか
縮まっています。この20年あまりの推移を抜き出すと、次のとおりです。
| 年 | 男=100としたときの女性 |
|---|---|
| 平成13年(2001) | 65.3 |
| 平成22年(2010) | 69.3 |
| 平成30年(2018) | 73.3 |
| 令和4年(2022) | 75.7 |
| 令和7年(2025) | 76.6 |
令和7年は前年から0.8ポイント改善しました。女性の賃金の伸び(+3.9%)が男性(+2.8%)を上回っていることが要因です。
この数字をそのまま自分に当てはめないほうがいい
統計の差は、全国・全職種・全年齢を混ぜた平均どうしの比較です。そこには次の違いが含まれています。
- 職種の構成が違う(賃金水準の高い職種に男性が多い)
- 勤続年数が違う(出産・育児での離職が平均勤続年数を下げる)
- 役職者の比率が違う
- 短時間勤務の比率が違う
つまり「同じ仕事で8万円違う」という話ではありません。同じ職種・同じ勤続年数で比べると、差はもっと小さくなります。
また、ここで使っている所定内給与は、毎月決まって支払われる給与から残業代などを除いた額で、賞与は含みません。残業の多い職場や、賞与の比重が大きい職場で働いている人は、年収で見ると統計の月額とは違う差になります。自分の給与明細と比べるときは、基本給と毎月の手当の合計で見るとそろいます。
自分の位置を確かめる方法
比べる相手を、統計の平均ではなく求人票にします。
- 自分の職種と経験年数で求人を10件開く
- 月給の下限を書き写す(上限は経験者向けの数字です)
- 10件の中央値を出す
- 自分の所定内給与(残業代と通勤手当を除いた額)と比べる
求人票の下限が自分の額を上回っているなら、市場のほうが高いということです。これは統計より直接的な情報になります。
統計と比べたい場合は、賃金構造基本統計調査の職種別の表を使います。e-Stat(政府統計の総合窓口)で公開されていて、職種ごとに年齢階級や勤続年数別の所定内給与を見られます。全体の平均より、自分の職種と年代の行を見るほうが、比べる意味のある数字になります。
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差を埋めるために動かせるもの
統計の差をそのまま個人で埋めることはできませんが、次は自分で動かせます。
- 職種を変えずに業界を変える(同じ仕事でも業界で水準が違います)
- 勤続年数を切らさない(転職しても通算の経験年数は評価されます)
- 資格手当のつく資格を取る
いずれも「頑張る」ではなく、条件の置き換えの話です。
資格を選ぶときは、取りたい資格の名前で求人を検索し、「資格手当」の欄に金額が書かれている求人がどのくらいあるかを先に見ておくと、取ったあとの効き方が分かります。
応募先の会社の男女の賃金差は、どこで確かめられるか
統計の平均とは別に、会社ごとの数字を見る方法があります。女性活躍推進法により、常時雇用する労働者が301人以上の企業には、令和4年7月から「男女の賃金の差異」の公表が義務づけられています。令和8年4月からは、101人以上300人以下の企業にも公表が必須になりました。
公表される数字は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)で、次の3つに分けて示されます。
- 全労働者
- 正規雇用労働者
- パート・有期労働者
公表先として厚生労働省が勧めているのは「女性の活躍推進企業データベース」で、会社名で検索できます。自社のホームページや採用ページに載せている会社もあります。
見るときは、全労働者の数字だけで判断しないことです。パート・有期で働く人に女性が多い会社では、全労働者の数字が低く出やすくなります。正規雇用どうしの数字と、会社が添えている説明欄をあわせて読むと、差がどこから来ているのかの手がかりになります。
今日やるとしたら
自分の職種で求人を10件開いて、月給の下限だけを書き出してください。
中央値と自分の額の差が、いま動かせる金額の目安になります。
よくある質問
- 男女の賃金差はどれくらいですか?
- 令和7年の調査では、男性を100としたとき女性は76.6です。金額では男性37万3400円、女性28万5900円となっています。
- この差は縮まっていますか?
- 縮まっています。平成13年は65.3でしたが、令和7年は76.6まで改善しています。
- 自分の給与が低いのは性別のせいですか?
- 個別の理由は統計からは分かりません。職種・勤続年数・勤務地が同じ条件の求人と比べるのが、確かめる方法になります。
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