介護職の給与を上げる、資格と手当の組み合わせ方
介護の仕事で給与を上げる方法は、思っているより限られています。だからこそ、順番を決めて動くと、遠回りを減らせます。
上げ方は4つ。資格、役職、加算、職場の種類。このうち自分で動かせるのは資格と職場です。
1. 介護の資格は、どの順番で取れば給与が上がるのか
初任者研修、実務者研修、介護福祉士、ケアマネジャーの順に、手当の目安が上がっていきます。介護福祉士を実務経験から目指す場合、通る順番はおおむね決まっています。
| 資格 | 要件 | 手当の目安 |
|---|---|---|
| 介護職員初任者研修 | 講習のみ | 数千円程度 |
| 実務者研修 | 講習(初任者修了で短縮) | 5,000〜10,000円程度 |
| 介護福祉士 | 実務3年+実務者研修+国家試験 | 10,000〜20,000円程度 |
| ケアマネジャー | 介護福祉士等で実務5年+試験・研修 | 20,000円以上 |
表の手当額は目安で、事業所によって大きく違います。応募先の求人票や給与規程で、実際の額を確かめてください。
いちばん効きやすいのは介護福祉士です。手当がつくだけでなく、後述する加算の配分で介護福祉士を基準にしている事業所もあり、応募できる求人の幅も広がります。
実務者研修は、介護福祉士の受験要件でもあるので、受験する年から逆算して取るのが無駄がありません。

初任者研修は、介護福祉士の受験に必須ではありません。初任者研修を飛ばして実務者研修から受けることもできます。一方、実務経験ルートでは「実務経験3年以上」だけでは受験できず、実務者研修の修了が必要です。
これから働き始める人は、初任者研修を取って現場に入り、働きながら実務者研修に進む形が一般的です。すでに働いていて無資格の人は、受験の予定に合わせて実務者研修から始めると、受講の期間と費用をまとめられます。
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2. 処遇改善加算は、なぜ事業所によって受け取る額が違うのか
介護職員等処遇改善加算は、事業所に支給され、配分方法は事業所が決めます。そのため、同じ資格・同じ経験でも、事業所が変われば手取りが変わります。
確認すべきは次の3点です。
- 自分の事業所がどの区分の加算を取得しているか(区分が上がるほど原資が多い)
- 配分が月額か、賞与一時金か
- 配分の基準(一律か、資格・役職に応じてか)
取得区分は、介護サービス情報公表システムや自治体の公表資料で確認できる場合があります。求人票に書かれていないことも多いので、面接で聞いて構いません。
聞くときは、「処遇改善の手当は、介護福祉士とそれ以外で額が違いますか」「毎月の分と一時金の分は、それぞれどのくらいですか」のように、自分が受け取る額に結びつく形にすると答えが返ってきやすくなります。
3. 役職:数は限られている
サービス提供責任者、リーダー、主任、管理者。手当は大きいものの、枠が空かないと就けません。
自分の事業所で空きが見えないなら、枠が空いている事業所へ移るほうが早いという判断になります。実務者研修や介護福祉士を持っていれば、サービス提供責任者の要件を満たせる場合があります。
4. 介護の職場は、種類によって給与がどう違うのか
夜勤のある特養や老健は高め、日勤のみのデイサービスは低めになる傾向です。
| 職場 | 傾向 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 夜勤があり、基本給・手当ともに高め |
| 老健 | 特養に近い。医療的な関わりが多い |
| グループホーム | 夜勤あり。少人数で負担の質が違う |
| 訪問介護 | 日勤中心。移動時間の扱いで実質時給が変わる |
| デイサービス | 日勤のみ。夜勤手当がないぶん低め |
夜勤手当は回数に応じて毎月加わるため、額面の差の大きな部分を占めることがあります。夜勤の有無や回数を変えると、資格手当より大きく動くこともあります。
夜勤のある職場を比べるときは、夜勤1回あたりの手当と、月の平均回数を分けて聞きます。手当の額が高くても回数が少なければ月の合計は小さくなり、回数が多ければ体への負担も増えます。続けられる回数を先に決めておくと、職場を選ぶ基準がはっきりします。
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上げる順番
- 実務者研修を取る(受験要件でもある)
- 介護福祉士を取る(ここが最大の分岐点)
- 加算の配分が良い事業所を探す
- 役職の枠がある事業所へ移る、または夜勤の回数を調整する
資格を取らずに職場だけ変えても、上がり幅は限られがちです。資格が先、職場が後と考えると、順番を決めやすくなります。
介護の資格を取る費用は、自分で払うしかないのか
実務者研修の受講料は、スクールや持っている資格によって違いますが、事業所が費用を負担する制度や、キャリアアップ支援として受講料を補助する求人があります。転職と同時に取る形にすると、自己負担を抑えられることがあります。
求人票の「資格取得支援あり」は、多くはこの費用の話です。ただ、全額か一部か、一定期間働くことが条件か、受講日を勤務扱いにするかは事業所ごとに違うので、面接で中身を確かめてください。
今日やるとしたら
給与明細を1枚出して、次を書き出してください。
- 資格手当の額
- 夜勤手当の額と回数
- 処遇改善の手当名と額
この3つの合計が、基本給とは別に動かせる部分です。ここを把握してから、資格を取るか職場を変えるかを決めてください。
よくある質問
- 介護職でいちばん給与が上がりやすい資格は何ですか?
- 介護福祉士です。資格手当がつくうえ、処遇改善加算の配分で介護福祉士を基準にしている事業所もあります。
- 初任者研修を取らずに実務者研修から受けられますか?
- 受けられます。初任者研修は介護福祉士の受験に必須ではありませんが、実務経験ルートでは実務者研修の修了が必要です。
- 資格を取らずに職場を変えるだけで給与は上がりますか?
- 上がり幅は限られがちです。資格を先に取り、そのあと加算の配分が良い事業所へ移る順番にすると決めやすくなります。
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