委託会社の栄養士は、施設より先に自社の上司へ。管理栄養士・栄養士が退職を伝える相手と順番、職場別の文例6つ
同じ厨房で働いていても、雇い主が同じとは限りません。病院や介護施設の給食では、施設に直接雇われた管理栄養士と、給食委託会社から来た栄養士・調理員が一緒に働いていることがよくあります。退職を最初に伝える相手は、この雇い主がだれかで決まります。
この記事では、まず職場ごとに伝える相手と順番を表にまとめ、そのあと場面別の文例を並べます。自分の職場に近い文例を選び、言いやすい言葉に直して使ってください。
退職を最初に伝える相手は、雇い主で決まる
給与明細や雇用契約書に書かれている会社・法人が雇い主です。毎日顔を合わせる施設の担当者が、雇い主の上司とは限りません。
| 働き方 | 雇い主 | 最初に伝える相手 | その次 |
|---|---|---|---|
| 病院・介護施設の直営 | 施設を運営する法人 | 栄養科長、施設長など直属の上司 | 法人の人事、厨房の委託会社の責任者 |
| 給食委託会社から施設に配属 | 委託会社 | 会社の上司(エリアマネージャーなど) | 会社と決めたあとに施設の担当者 |
| 私立の保育園 | 園を運営する法人 | 園長 | 調理担当の同僚 |
| 公立の学校・自治体の施設 | 自治体 | 校長や所属長 | 自治体の規定に沿って人事へ |
公立の学校や自治体の施設で公務員として働いている場合、退職の手続きは民法ではなく、その自治体の規定に沿って進みます。いつまでに申し出るかは、早めに所属長か人事担当に確かめておきます。
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直営の病院・介護施設では、どう切り出す?
上司が厨房と事務室を行き来していて、立ち話になりがちな職場です。昼の配膳が終わったあとなど、落ち着いた時間を指定してもらいます。
文例1:「科長、ご相談したいことがあるので、今週どこかで15分ほどお時間をいただけますか。午後の配膳のあとでもかまいません」
面談では、迷っている話し方をせず、決めたこととして伝えます。
文例2:「突然で申し訳ありませんが、○月末で退職させていただきたいと考えています。来月分の献立と発注までは私が作り、そのあとの分は引き継ぎながら進めたいと思っています」
退職日と一緒にどこまで自分が担当するかを示すと、上司は後任探しの段取りを考えやすくなります。献立を何週間分ずつ立てているか、発注の締めは何日かを、面談の前に手帳で確かめておくと話が具体的になります。
委託会社の栄養士は、施設の担当者にいつ伝える?
施設の担当者と親しくしていても、先に話すのは会社の上司です。施設側から会社に話が入ると、会社は後任の配置を準備する前に施設から説明を求められ、話がこじれやすくなります。
文例3:「エリアマネージャーにご相談があります。○月末で退職したいと考えていて、後任の方の配置の時期をご相談させてください」
委託会社では、退職の相談をすると別の事業所への異動を打診されることがあります。辞める理由が施設の人間関係や勤務時間なら、異動で解決するのかを考えてから面談に臨むと、その場で迷わずに答えられます。
会社と退職日が決まったら、施設への伝え方も会社と打ち合わせます。会社の担当者が施設に説明し、そのあとで本人があいさつする順番にすることが多いようです。
文例4(施設の担当者へ):「会社からお話があったと思いますが、○月末で退職することになりました。後任の方には、利用者さんの食事形態とアレルギーの一覧を引き継いでおきます」
保育園・学校給食・保健指導の職場で気をつけること
保育園や学校は、行事食や年度の献立計画が4月始まりで組まれています。年度途中に辞める場合は、残りの献立をだれが立てるかを先に決めておく必要があるため、伝える時期を早めにします。
文例5:「園長、来年3月末で退職させていただきたいと考えています。来年度の献立計画の作成をどうするか、早めにご相談したいと思いました」
保育園では、園児ごとの除去食の内容と、保護者と取り決めた代替食の一覧も引き継ぎの資料に入れておきます。
特定保健指導を担当している場合は、継続支援の途中にある対象者の一覧と、次の面談予定日を引き継ぎの資料に入れます。

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「後任が決まるまで」と言われたら、何と返す?
期間の定めのない雇用であれば、民法では退職を申し入れてから2週間で雇用が終わるとされています。有期契約の場合は、契約書の期間と条件を確かめます。
文例6:「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。退職日は○月末で考えています。それまでに献立の立て方と業者さんの連絡先をまとめ、後任の方に引き継げるようにします」
施設側にも急ぐ事情があります。健康増進法にもとづく特定給食施設では、管理栄養士・栄養士の人数が変わると、施設の設置者が1か月以内に保健所へ変更届を出す決まりがあります。退職日を早めに確定させておくことは、施設の手続きの助けにもなります。辞める日の決め方は「管理栄養士・栄養士の退職でよくある5つの思い込み」で詳しく整理しています。
今日やるとしたら
給与明細か雇用契約書を開き、雇い主の名前を確かめてください。そのうえで、文例1か文例3のどちらを使うかを決め、自分の言葉に直して手帳に書いておきます。
よくある質問
- 委託会社から配属されている施設の栄養課長に、先に相談してもいいですか?
- 雇用契約を結んでいるのは委託会社なので、先に会社の上司に伝えるほうが話がこじれにくいです。施設から先に会社へ話が入ると、会社が後任の配置を準備する前に説明を求められることがあります。会社と退職日を決めてから、伝え方を打ち合わせて施設に伝えます。
- 公立の学校で働く栄養士の退職も、2週間前に伝えればよいのですか?
- 公務員として働いている場合、退職の手続きは民法ではなく自治体の規定に沿って進みます。申し出の時期や書類は自治体によって違うため、所属長か人事担当に早めに確認してください。
- 退職を伝えるとき、献立はどこまで作っておけばよいですか?
- 決まりはありません。献立を何週間分ずつ立てているかと発注の締め日を確かめ、「来月分までは自分が作る」のように担当する範囲を退職日と一緒に示すと、上司が後任の段取りを考えやすくなります。
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