入社後の「お試し」には4つの形がある。試用期間・契約社員スタート・紹介予定派遣・トライアル雇用を、終わったあとの扱いで比べる
採用が決まったあと、すぐに「本採用」になるとは限りません。入社してからしばらく様子を見る仕組みには、試用期間、最初だけ契約社員として雇う形、紹介予定派遣、トライアル雇用の4つがあり、どれを選ぶかには会社側の事情が表れます。
どの形でも働き始めの数か月は似て見えますが、期間が終わったときに何が起きるか、続けて雇われない場合の扱いは大きく違います。この記事では4つを表で並べ、求人票や面接でそれぞれ何を確かめればよいかを整理します。
4つの「お試し」を表で比べる
| 形 | 最初の契約 | 期間の目安 | 期間が終わると | 会社が選ぶ主な理由 |
|---|---|---|---|---|
| 試用期間 | 期間の定めのない雇用 | 就業規則で定める | そのまま本採用が原則 | 長く雇う前提で適性を見たい |
| 契約社員スタート | 有期の雇用 | 契約書で定める | 更新か登用か終了 | 正社員の枠を先に約束しにくい |
| 紹介予定派遣 | 派遣会社との雇用 | 最長6か月 | 双方が合意すれば直接雇用 | 選考の手間を派遣会社と分けたい |
| トライアル雇用 | 有期の雇用 | 原則3か月 | 無期雇用への移行を判断 | 助成金を使い、合うかを確かめたい |
同じ「3か月」でも、試用期間は最初から無期の契約の中の期間で、ほかの3つは期間の終わりに改めて雇うかどうかを決める仕組みです。求人票に「試用期間あり」とだけ書かれていても、その間の雇用形態が契約社員になっている会社もあるため、労働条件通知書の契約期間の欄で確かめてください。
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試用期間なら、本採用を見送られにくいのか?
試用期間中の本採用の見送りは、法律上は解雇として扱われます。労働契約法第16条では、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない解雇は無効としており、試用期間だからといって会社が自由に辞めさせられるわけではありません。
ただし、試用期間の途中でも、入社から14日を超えて働いた人を辞めさせるには、30日前の予告か予告手当が必要です。逆にいえば、最初の14日間はこの予告の決まりが適用されません。
採用担当者が試用期間で見ているのは、遅刻や欠勤、指示の受け止め方など、面接では確かめにくい点です。期間の長さに法律の決まりはなく、延長の有無と条件も就業規則で定められるため、入社前に規定を見せてもらうと安心です。試用期間中だけ基本給を低くしている会社もあるので、その金額と期間が労働条件通知書に書かれているかもあわせて見ておきます。
「最初は契約社員」の求人では、何を確かめる?
有期契約は、期間が満了すれば更新しないことも前提に入っています。そのため、正社員への登用をうたう求人では、登用の基準と、過去に何人が登用されたかを聞いておくと、見通しが立てやすくなります。
2024年4月からは、有期契約を結ぶときに、更新の上限(通算の期間や回数)の有無と内容を示すことになりました。上限が「1年」と書かれていれば、登用されなければそこで終わる契約だと読めます。
面接で聞くときは、次のような言い方が使えます。
正社員登用の判断は、どの時期に、どなたが、どんな基準でされていますか。
紹介予定派遣で直接雇用にならなかったら、理由は聞ける?
紹介予定派遣は、派遣先で最長6か月働いたあと、派遣先と本人の双方が合意すれば直接雇用に切り替わる仕組みです。通常の派遣と違い、派遣の前に派遣先が面接をしたり、履歴書を受け取ったりすることが認められています。
派遣中の給与は派遣会社から支払われ、直接雇用に切り替わったあとの給与や雇用形態は、派遣中と同じとは限りません。直接雇用が正社員なのか契約社員なのかも含めて、派遣が始まる前に派遣会社に確かめておきます。
派遣先が直接雇用しないと決めたときは、本人が派遣会社に求めれば、派遣会社が派遣先から理由を聞き取り、書面などで本人に伝えることになっています。次の職場を探すときの手がかりになるので、遠慮せずに求めてかまいません。

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トライアル雇用は、誰が使える制度?
トライアル雇用は、ハローワークや一部の職業紹介事業者の紹介で、原則3か月の有期契約として働き始める制度です。会社には、要件を満たせば1人あたり月額最大4万円の助成金が支給されます。
対象になるのは、紹介日の前日から過去2年以内に2回以上離職・転職している人、離職している期間が1年を超えている人などです。紹介の日に本人がトライアル雇用を希望していることも条件で、応募の前に窓口で対象になるかを確かめられます。
採用担当者にとっては、職歴に空白や転職の多さがある人を、助成金を受けながら実際の仕事で見られる制度です。応募する側にとっても、書類だけでは伝わりにくい力を、3か月の働きぶりで示す機会になります。
今日やるとしたら
応募を考えている求人票を開き、「試用期間」「契約期間」「雇用形態」の3つの欄を並べて、最初の契約が無期か有期かを一つだけ確かめてください。
よくある質問
- 試用期間中に辞めさせられることはありますか?
- ありえますが、本採用の見送りも解雇として扱われ、客観的に合理的な理由が必要です。また、入社から14日を超えて働いている場合は、30日前の予告か予告手当が必要になります。
- 求人票に「試用期間3か月(契約社員)」とあるのは、試用期間と同じですか?
- 同じとは限りません。その3か月が有期の契約であれば、期間の終わりに改めて正社員として雇うかどうかが決まる形です。労働条件通知書の契約期間と更新の欄を確かめてください。
- トライアル雇用には、自分から申し込めますか?
- トライアル雇用はハローワークなどの紹介を通じて始まる制度で、紹介の日に本人が希望していることが条件の一つです。対象になるかどうかは、ハローワークの窓口で確かめられます。
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