退職したあとも傷病手当金を受け取れるかは、退職日までに決まる。休み始めの週から申請書を出すまで、時期ごとに確かめること

退職とお金の手続き 公開 2026-10-15

ベッドの上のノートパソコンとお茶のセット、花を飾ったサイドテーブル

健康保険の傷病手当金は、在職中だけの制度ではありません。条件を満たせば、退職したあとも、同じ病気やけがで働けない間は受け取りを続けられます。ただし、その条件の多くは退職日より前に決まります。退職日に出勤したかどうかで、受け取れるかが分かれることもあります。

この記事は、体調を崩して休み始めた日から、退職後に申請書を出すまでを時期の順に並べたものです。協会けんぽの案内をもとにしているので、健康保険組合に入っている人は、細かな扱いを加入先で確かめてください。辞めるかどうかをまだ決めていない段階なら、いまの会社を辞めるべきかもあわせて読んでみてください。

退職後も受け取るための5つの要件は?

協会けんぽは、退職後も続けて受け取るための要件として、次の5つを挙げています。すべてを満たす必要があります。

#要件決まる時期
1退職日までに、健康保険の被保険者期間が継続して1年以上ある(任意継続の期間は含まない)退職日まで
2退職日の前日までに療養のため3日以上続けて休み、退職日も休んでいる退職日まで
3雇用保険の失業給付を受けていない退職後
4在職中と同じ病気・けがで、退職後も働けない状態が続いている退職後
5働けない期間が途切れていない退職後

1と2は、辞めてからでは取り戻せません。ここから先は、この2つを中心に、時期ごとに確かめることを並べます。

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休み始めた週:3日の「待期」はどう数える?

傷病手当金は、連続した3日の待期を含めて4日以上休んだときに、4日目から支給の対象になります。待期の3日には、有給休暇や、土日・祝日などの公休日も含まれます。

たとえば金曜日から体調を崩して休み、土日をはさんで月曜日も休んだなら、金・土・日の3日で待期が完成し、月曜日が支給対象の1日目になります。有給休暇を使った日は給与が出るので、その日の手当金は支給されないか、差額だけになります。

この時期にやっておくのは、医療機関を受診して、働けない状態だと医師に確かめてもらうことです。申請書には医師が記入する欄があり、受診していない期間は証明を受けにくくなります。

退職日の前に確かめておく3つのこと

まず、要件1の被保険者期間を数えます。今の会社に入ってから1年に満たなくても、前の会社の健康保険から1日も空かずにつながっていれば、期間を合わせて数えられる場合があります。自分が当てはまるかは、加入先に問い合わせてください。

次に、退職日に出勤しないことです。要件2のとおり、退職日も療養のために休んでいる必要があります。最終日に挨拶や引き継ぎのために出勤して働くと、退職後の分を受け取れなくなるおそれがあります。私物の引き取りや貸与品の返却は、退職日より前にすませるか、郵送でよいか会社に相談しておきます。

もう一つは、会社に書いてもらう欄です。申請書には事業主の記入欄があり、在職中の期間の出勤状況や給与の支払いを証明します。退職して連絡を取りにくくなる前に、在職中の分の申請を会社に頼んでおくと、あとの手続きが進めやすくなります。

退職したあと:申請書はどこへ、いつまでに出す?

退職後の申請は、在職中に加入していた健康保険に出します。協会けんぽなら加入していた支部で、電子申請のほか、紙の申請書の郵送も受け付けています。退職後に任意継続や国民健康保険、家族の扶養に入っても、この受け取りは在職中の健康保険から続きます。保険の選び方は退職後の健康保険はどれを選ぶかで比べています。

申請書は、本人が書く欄、事業主の欄、医師などが書く欄に分かれています。退職後の期間は、主に本人と医師の欄で申請することになります。期間を区切って、何回かに分けて出すこともできます。

申請の期限は、働けなかった日ごとに、その翌日から2年です。古い日の分から順に請求できなくなっていくので、まとめて出すつもりでも長く空けないようにします。

机の上の封筒とメモ帳、マーカー

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失業保険や年金とは、どう関係する?

失業給付は働ける人のための給付なので、傷病手当金と同時には受けられません。働けない間は傷病手当金を受け、ハローワークでは失業給付の受給期間の延長を申請しておく、という順番が考えられます。延長の手続きは失業保険の受給期間は、病気や出産なら最長4年まで延ばせるにまとめています。

退職後に老齢年金を受けられる人や、同じ病気で障害厚生年金を受けられる人は、傷病手当金が減額されます。年金の1日あたりの額のほうが多ければ、その期間は受け取れません。

支給期間は、支給を始めた日から通算して1年6か月です。2022年1月から、途中で働いて支給されなかった期間は数えない形に変わりました。ただ、退職後は要件5のとおり、一度働ける状態に戻ると、そのあとの分は受け取れません。体調が戻りきらないうちに短期の仕事を入れる前に、加入先に相談してください。

今日やるとしたら

退職日がもう決まっているなら、その日に出勤する予定が入っていないかを確かめてください。入っていれば、引き継ぎや返却を前日までに移せないか、会社に相談するところから始めます。

よくある質問

退職日に、挨拶だけしに会社へ行くのもだめですか?
要件は、退職日も療養のために仕事に就けず休んでいることです。働いたかどうかで判断されるので、どこまでが差し支えないかは加入している健康保険に事前に確かめてください。私物の受け取りなどは郵送で頼めないか会社に相談する方法もあります。
退職後に国民健康保険に入ったら、傷病手当金はもらえなくなりますか?
退職後の傷病手当金は、在職中に加入していた健康保険から続けて支給されるものなので、そのあとに国民健康保険や任意継続、家族の扶養に入っても受け取れます。なお、任意継続の期間中に新しくかかった病気やけがは対象になりません。
退職後に失業保険と傷病手当金を両方もらえますか?
同時には受けられません。失業給付は働ける人のための給付だからです。働けない間は傷病手当金を受け、ハローワークで失業給付の受給期間の延長を申請しておけば、体調が戻ってから失業給付の手続きに進めます。

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