退職金がいくら出るか、人事に聞かずに調べられる? 辞めると伝える前に自分で確かめたい6つの項目と、見る場所
退職金はいくら出るのか、有給は何日残っているのか、退職の申し出は何か月前までなのか。辞めると決めたあとでこれらを人事に聞きに行くと、その質問だけで「辞めるつもりらしい」と受け取られることがあります。
ただ、この多くは誰かに尋ねなくても、自分の手元や社内の決まった場所で確かめられます。この記事では、確かめたい項目ごとに最初に見る場所を並べ、見つからないときの数え方と聞き方までまとめます。制度も置き場所も会社によって違うので、表は探し始める場所の目安として使ってください。
就業規則は、社員なら断りなく読めるもの?
常時10人以上の労働者がいる事業場は、就業規則を作って労働基準監督署に届け出なければなりません(労働基準法89条)。そのうえで会社には、就業規則を労働者に周知する義務があります(同法106条)。周知の方法は、作業場の見やすい場所への掲示や備え付け、書面の交付、パソコンなどでいつでも見られる状態にしておくことの3つです(労働基準法施行規則52条の2)。
つまり就業規則は、本来は誰かの許可を得なくても読める場所にあるはずのものです。社内ポータルの規程集、総務の棚のファイル、入社時に配られた冊子のどれかに入っていることが多いでしょう。退職手当や賃金の細かい決まりは「退職金規程」「賃金規程」のように別冊になっていることもあるので、本体と同じ場所を探してみてください。
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確かめたい6つの項目と、最初に探す場所
| 確かめたいこと | まず見る場所 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 退職の申し出の期限 | 就業規則の「退職」の章 | 「1か月前」「30日前」など、書き方をそのまま控える |
| 退職金の有無と計算方法 | 退職金規程(退職手当規程) | 自己都合と会社都合で支給率が違うことが多い |
| 勤続年数の数え方 | 退職金規程 | 試用期間や休職期間を含むかを見る |
| 有給の残日数 | 勤怠システム、給与明細 | 付与される日(基準日)も一緒に控える |
| 賞与の支給日在籍要件 | 賃金規程 | 「支給日に在籍する者」とあれば退職日の決め方に関わる |
| 中退共・企業型DCへの加入 | 入社時の書類、給与明細の控除欄 | 加入していれば、社内の退職金とは別に手続きがある |
この6つがそろうと、退職日をいつにするかを考える材料はおおむね手元に集まります。
規程を開いたことで、気づかれることはある?
社内ポータルの規程集は、誰がいつ開いたかの記録が残る仕組みのこともあります。社員が規程を読むのはふつうのことですが、退職の章だけを短い間に何度も開くと、目に留まるかもしれません。制度改定のお知らせが出たとき、年末調整や評価面談の前など、ほかの理由で規程を開く時期に合わせて読むと自然です。
気をつけたいのは控え方です。規程のPDFを私用のメールに送る、私物のスマートフォンで画面を撮るといった方法は、情報の持ち出しを禁じる社内ルールにふれることがあります。必要な条文は、要点を自分の言葉でメモに写す程度にとどめるほうが安心です。私物やデータの片づけの線引きは、退職を言い出す前に、私物とデータはどこまで片づけていい?にまとめています。

退職金規程は、どこまで読めば金額の見当がつく?
退職金の決め方は、いくつかの型に分かれます。退職時の基本給に勤続年数ごとの支給率をかける形、毎年の等級や評価に応じたポイントを積み上げて単価をかける形、勤続年数ごとの定額表の形などです。どの型かがわかれば、給与明細と入社日から、おおよその額は自分で計算できます。
読み落としやすいのは、別の条に書かれた条件です。「自己都合退職の場合は所定額に一定の率を乗じる」「勤続3年未満の者には支給しない」といった定めは、計算式の条とは離れた場所にあることがあります。退職金は法律で支払いが義務づけられたものではないため、規程が見当たらない会社では、そもそも制度が無い可能性もあります。
中小企業退職金共済(中退共)に入っている会社では、退職金は中退共から本人に直接支払われ、請求も本人が行います。掛金の納付状況と退職金の試算額は事業主に知らされる仕組みなので、額を正確に知りたいときは会社の担当者に確認することになります。退職金にかかる税金は、退職金500万円なら、所得税は約2.5万円で計算の順番を追えます。
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有給の残日数が見当たらないときは、自分で数え直す
会社には、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作り、基準日・取得日数・取得した日付を記録して3年間保存する義務があります(労働基準法施行規則24条の7)。記録は会社にあるので、自分から見える画面や明細に出ていないだけ、ということも多いはずです。
その場合は、基準日に付与された日数を起点に、前年からの繰り越し分を足し、その後に取った日を引いて数えます。有給は2年で時効になるため、繰り越せるのは前年に付与された分までです。取った日は、勤怠の申請履歴や手帳の記録から拾えます。半日単位や時間単位で取った分があれば、それも忘れずに引きます。
数えた結果を確かめたいときは、「来月まとめて休みたい日があるので、残日数を教えてください」のように、休暇の予定の相談として聞くと、退職の話にはつながりにくくなります。
今日やるとしたら
社内ポータルか入社時の書類から就業規則の「退職」の章を探し、退職の申し出の期限を書いた一文だけをメモに写してください。その一文がわかれば、上司に伝える日から逆算して、退職日の候補を出せるようになります。
よくある質問
- 就業規則を見せてほしいと頼んだら、辞めるつもりだと思われませんか?
- 会社には就業規則を周知する義務があるため、まずは社内ポータルや備え付けのファイルなど、断らずに見られる場所を探してみてください。頼む必要があるときも、休暇や手当の確認など、退職以外の用件と一緒に尋ねると目立ちにくくなります。
- 退職金規程が見つからないときは、退職金は出ないのですか?
- 退職金は法律で支払いが義務づけられたものではないため、制度が無い会社もあります。ただ、規程が別冊で保管されている、中退共などの外部の制度を使っているといった場合もあるので、入社時の書類や給与明細の控除欄もあわせて確かめてください。
- 有給の残日数は、給与明細に必ず書かれていますか?
- 書いてある会社もありますが、給与明細に載っていないこともあります。会社は年次有給休暇管理簿で取得の記録を残しているので、勤怠システムを確かめるか、付与日数と取得日から自分で数え直すのが手早い方法です。
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