介護の夜勤専従は割に合うのか。手当を時給に直して比べる
夜勤専従は月給が高い。ただし、高いのは月給であって、時給ではないことがあります。
判断の材料になるのは「拘束時間で割った額」と「勤務日数」です。この2つを出さずに月給だけ見ると、見誤りやすくなります。
介護の夜勤専従は、時給に直すといくらになるのか
月給28万円・月10回なら、拘束時間で割って1,750円です。日勤常勤(月給24万円)の1,500円より高いものの、差は思ったほど大きくありません。
夜勤専従は16時間勤務(17:00〜翌9:00など)の形がよく見られます。仮に月10回入るとします。
- 拘束時間:16時間 × 10回 = 160時間
- 休憩:2時間 × 10回 = 20時間(実働140時間)
月給28万円なら、拘束時間で割ると 1,750円/時、実働で割ると 2,000円/時。
日勤常勤で月給24万円・実働160時間なら 1,500円/時。
確かに高い。ただし差は思ったほど大きくありません。そして夜勤専従は勤務日数が少ないぶん、体感の拘束は減ります。ここをどう評価するかが分かれ目です。

もう一つ確かめたいのが、深夜の割増賃金の扱いです。労働基準法では、午後10時から午前5時までの労働には、通常の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払うことになっています。求人票の「夜勤手当1回◯円」が、この深夜割増を含んだ額なのか、別に計算して支払われるのかで、1回あたりの実際の額が変わります。面接では「夜勤手当とは別に、深夜の割増分は支給されますか」と聞くと確かめられます。
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夜勤専従の求人で見落としやすいのは何か
見落としやすいのは、月に入れる回数の上限、仮眠が取れるか、社会保険と賞与の3点です。
1. 回数の上限
1か月単位の変形労働時間制などの労働時間の枠と、事業所の取り決めによって、月に入れる回数には上限があります。「月10回」を前提に計算した月給が、実際は8回しか入れないことがあります。求人票の月給が何回前提かを確認してください。
2. 仮眠が取れるか
「休憩2時間」と書かれていても、実際に横になれるかは別です。ワンオペ(1人夜勤)の施設では、記録と巡視で休憩が取りにくくなることがあります。
- 夜勤の人数構成(1人か2人か)
- 入居者数と、ナースコールの頻度
- 仮眠室の有無
この3つは面接で聞いて問題ありません。
3. 社会保険と賞与
夜勤専従は非常勤扱いの求人があり、賞与なし・退職金なしの場合があります。年収で比べると逆転することがあるので、月給ではなく年収で計算してください。
加えて、年間休日の数え方も見ておきます。夜勤の明けの日を休みとして数えている求人と、明けの翌日を休みとしている求人では、同じ「休日◯日」でも体を休められる日数が違います。勤務表の例を見せてもらうと、明けと休みの並び方が分かります。
夜勤専従が向いているのはどんな人か
続けやすい人には、次のような点がよく見られます。
- 生活リズムを夜型に固定できる(休みの日も寝る時間をずらさない)
- 日中に用事を入れなくていい状況(通学・介護・副業など目的がある)
- ワンオペでも判断して動ける経験がある
逆に、休日に朝型へ戻す生活をしていると、体調を崩しやすくなります。夜勤明けにそのまま予定を入れる習慣がある人も、続きにくい傾向があります。
比べるための計算式
求人を2つ並べるとき、次を出してください。
| 項目 | 計算 |
|---|---|
| 年収 | (月給 × 12)+ 賞与実績 |
| 年間拘束時間 | 1回の拘束時間 × 月の回数 × 12 |
| 実質時給 | 年収 ÷ 年間拘束時間 |
| 通勤込み時給 | 年収 ÷(年間拘束時間+往復通勤時間×日数) |
通勤込みで出すと、夜勤専従は有利になりやすくなります。出勤日数が少ないぶん、通勤時間の総量が減るからです。
計算の例を一つ挙げます(数字は例です)。月給28万円・賞与なし・1回16時間で月10回なら、年収336万円、年間拘束時間は1,920時間で、実質時給は1,750円です。日勤常勤で月給24万円・賞与年48万円・月160時間なら、年収336万円、年間1,920時間で同じく1,750円になります。月給の差が、賞与の有無で埋まることがあるのが分かります。
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期間を区切る使い方
資格取得の費用を貯める、学校に通う、家族の事情で日中を空けたい。目的と期限がある場合、夜勤専従は合理的です。
逆に「給料が高いから」だけで期限を決めずに続けると、体調を崩して辞めることになる場合もあります。始める前に、いつまでやるかを決めておくほうが安全です。
期限を決めるときは、「半年後に体調と貯金を見直す」のように見直す日もあわせて決めておくと、続けるか戻るかを落ち着いて判断できます。日勤に戻りたくなったときに、同じ法人の中で日勤の勤務へ移れるかどうかも、入職前に聞いておくと選択肢が増えます。
今日やるとしたら
気になる求人を1つ開いて、次の3つをメモしてください。
- 月給が何回の夜勤を前提にしているか
- 夜勤の人数構成(1人か2人か)
- 賞与の有無
この3つが埋まらない求人は、ほかの求人と比べる材料が足りません。
よくある質問
- 介護の夜勤専従は、日勤より稼げますか?
- 月給は高く見えますが、拘束時間で割ると差は小さめです。賞与がない求人では、年収で日勤常勤と同じくらいになることもあります。
- 夜勤手当に深夜の割増賃金は含まれていますか?
- 求人によって違います。午後10時〜午前5時の労働には2割5分以上の割増が必要なので、夜勤手当とは別に支給されるかを面接で確かめてください。
- 夜勤専従はいつまで続ければいいですか?
- 目的と期限を決めてから始めるのが安全です。「半年後に体調と貯金を見直す」のように、見直す日も決めておくと判断しやすくなります。
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