職務経歴書が書けない。3行のメモから始める書き方

採用担当者の視点 公開 2026-09-16 更新 2026-10-14

ノートに書き出す手元

白紙の職務経歴書を開いて、30分そのままだった。よくある話です。

書けない理由は、経験が足りないことより、いきなり文章にしようとしていることにある場合が多いものです。

ここだけ押さえれば大丈夫です。3行のメモを作ってから広げる。順番を変えるだけで、だいたい書けるようになります。

まず3行だけ書く

一つの仕事について、次の3行を書きます。文章にしなくて構いません。

  1. 何を — 請求書の発行と入金確認
  2. どのくらい — 月200件ほど、担当は自分ひとり
  3. どうなったか — 手順書を作り、繁忙期も残業なしで回した

これで職務経歴書の1ブロックは完成です。あとは仕事の数だけ繰り返します。

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数字は「成果」でなくていい

「売上を伸ばした」のような成果がないと書けない、と思われがちですが、必要なのは規模が伝わる数字です。

  • 月に何件、何人分、何社を担当していたか
  • 何人のチームだったか
  • 何年やっていたか

「月200件を一人で」と書けば、読む側は仕事の重さを想像できます。成果より、規模と範囲のほうが伝わります。

件数を数えていなかった仕事は、1日や1週間の量から逆算した目安で構いません。その場合は「月150件ほど」「約20社」のように、おおよその数だと分かる書き方にしておくと、面接で詳しく聞かれたときにも説明がずれません。

思い出せないときの質問

手が止まったら、自分に次を聞いてください。書くべきことは、たいていこの答えの中にあります。

質問出てくるもの
引き継ぎのとき、何を説明したか担当業務の全体像
新しい人に、最初に教えることは何かいちばん重要な業務
自分が休むと止まる仕事は何か代えのきかない役割
この1年で、やり方を変えたことは何か改善の実績
他部署から相談されることは何か社内での位置づけ

とくに下の2つは、書き忘れられがちで、読む側がいちばん知りたい部分です。

質問に答えようとしても記憶があいまいなときは、手元にある記録を見返すと思い出しやすくなります。

  • 自分のカレンダーや手帳:定例の会議、繁忙期、大きな案件の時期
  • 評価面談や目標設定のときに自分で書いたシート
  • 異動や担当替えのときに作った引き継ぎメモ
  • 社内で受けた研修や、取った資格の記録

ただし、社外秘の資料や顧客名を職務経歴書にそのまま書き写すことは避けてください。「大手小売業の顧客」「従業員300名規模の取引先」のように、相手が特定されない言い方に置き換えます。

並べる順番は時系列でなくていい

古い順に並べる決まりはありません。応募先に近い仕事を上に置いてください。読む人は上から読み、途中で判断します。

直近の仕事が応募先と関係が薄いなら、関係する仕事を先に出して、そのあとに時系列で並べる形でも問題ありません。

並べ方には、古い順に書く「編年体」、新しい順に書く「逆編年体」、仕事の種類ごとにまとめる「キャリア式」があります。転職が多い人や、複数の会社で同じ種類の仕事をしてきた人は、キャリア式にすると経験がまとまって見えます。どの形でも、会社名と在籍期間は分かるように残してください。

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1枚に収める

長く書いても、それだけで評価が上がるわけではありません。2枚を超えると、読み飛ばされる部分が増えやすくなります。

削る順番は、古い仕事の詳細 → 自己PR → 資格の細目です。逆に、直近の仕事の「どのくらい」は削らないでください。ここが判断材料になります。

3行のメモを、職務経歴書の形にするには?

メモがいくつかできたら、決まった枠に流し込みます。職務経歴書に決まった書式はありませんが、多くの場合は次の順番です。

  1. 職務要約:メモ全体を見て、何年・どんな仕事・何が得意かを3行ほどで書く
  2. 職務経歴:会社ごとに、在籍期間、事業内容、所属部署や役職を書き、その下に3行のメモを並べる
  3. 活かせる経験・知識:使える業務ソフト、扱った書類、身につけた手順など
  4. 資格:取得年月と正式な名称
  5. 自己PR:応募先で生かせることを1つに絞って書く

職務要約は、いちばん最後に書くと楽です。メモがそろってから全体を見れば、自分の経験の中心がどこにあるかが分かります。

書き上げたら、職務経歴書を見直す8項目のチェックリストで、読む側の目から確かめてください。

ほかの職種なら、3行はどう書くか

事務以外の職種でも、型は同じです。4つの職種で書いてみます。

職種何をどのくらいどうなったか
営業既存顧客へのルート営業約60社、エリア内を一人で担当訪問の順番を見直し、月の訪問件数を増やした
販売婦人服の接客と在庫管理スタッフ5名の店舗で副店長売れ筋の発注を任され、品切れを減らした
介護特別養護老人ホームでの身体介護1フロア20名、夜勤は月4回記録の書き方をそろえ、申し送りの時間を短くした
IT社内のパソコンとアカウントの管理社員150名分、問い合わせは月80件ほどよくある質問をまとめ、同じ問い合わせを減らした

「どうなったか」の欄は、大きな成果でなくて構いません。自分が手を入れて、少しでも変わったことを書けば十分です。

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職務要約は、どう書けばいいか

メモがそろったら、最後に冒頭の職務要約を書きます。3つの要素を、3〜4行に収めます。

  1. 何年、どんな会社で、どんな仕事をしてきたか
  2. いちばん長く、深く関わった仕事は何か
  3. 応募先で活かせることは何か

住宅設備メーカーで営業事務を5年担当してきました。受発注の入力と請求書の発行を中心に、月200件ほどを一人で処理しています。正確さと期限を守る仕事の進め方を、貴社の経理補助の業務で活かしたいと考えています。

職務要約は、採用担当者が最初に読む場所です。ここで「何をしてきた人か」が伝われば、そのあとの職務経歴も読まれやすくなります。

パソコンで作るときに、気をつけることは?

内容が書けたら、形も整えておきます。

  • A4サイズで、文字は10.5〜11ポイントほどにする
  • 見出しを太字にして、会社ごとに区切ると、読む側が目で追いやすくなる
  • 提出はPDFにする:パソコンの環境によって、文書ソフトのファイルはレイアウトが崩れることがあります
  • ファイル名に氏名と書類名を入れる:「職務経歴書_山田花子.pdf」のようにすると、採用担当者が管理しやすくなります

日付は、提出する日か、郵送する日にそろえます。古い日付のまま出さないよう、応募のたびに確かめてください。

書きすぎていないか、どう確かめればいいか

書けるようになると、今度は少し大きく書きたくなります。次の3つを確かめると、面接で困らない書類になります。

  • 「担当」と「補助」を分けて書いているか:自分が責任を持っていた仕事と、手伝っていた仕事を同じ言葉で書かない
  • チームの成果を、自分一人の成果にしていないか:「部署で売上を伸ばした」なら、その中で自分が何をしたかを書く
  • 書いたことを、1分で説明できるか:面接では、書類の1行ごとに「具体的には?」と聞かれる前提で読み直す

書類と面接の話が食い違うと、書いた内容すべてが疑われます。少し控えめに書いて、面接で詳しく話すほうが、結果として評価は上がりやすくなります。

今日やるとしたら

完成させようとしなくて構いません。いちばん長くやった仕事について、3行だけ書いてみてください。

その3行が書ければ、残りは同じ作業の繰り返しです。書けないのではなく、始め方が難しかっただけだと分かるはずです。

3行を書くときは、時間を10分と決めてから始めると手が止まりにくくなります。途中で言葉に迷ったら、きれいな表現は後回しにして、箇条書きのまま先に進めてください。

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