看護師が辞める前にやる5つの手続き。順番を間違えると損をする
辞めると決めてから動き出すと、間に合わない手続きが出てきます。中には期限を過ぎると選べなくなるものがあるからです。
順番は「就業規則の確認 → 退職の意思表示 → 有給の日程調整 → 保険と年金 → 書類の受け取り」です。この順を外すと、有給を使いきれなかったり、保険に切れ目ができたりします。
1. 看護師の退職は、何か月前に申し出ればいいのか
決まった答えはなく、勤め先の就業規則にある申出期限に従います。看護職は施設によって申出期限がばらばらです。「1か月前」の病院もあれば、「3か月前」「年度末まで」と定めている病院もあります。
同時に見るのは次の3点です。
- 退職の申出期限
- 有給の繰越日数と、退職時の扱い
- 退職金の支給条件(勤続年数の区切り)
勤続3年・5年で退職金の係数が変わる規定は珍しくありません。あと1か月で区切りを越えるなら、退職日をずらすだけで金額が変わります。

広告
2. 退職の意思は、誰にどう伝えればいいのか
最初に伝える相手は直属の師長です。同僚や他部署に先に話すと、本人以外から伝わって関係がこじれることがあります。
伝え方は3文で足ります。
お時間をいただきありがとうございます。◯月末で退職したいと考えております。シフトの調整もありますので、早めにご相談しました。
「相談したいのですが」と切り出すと、引き止めの余地があると受け取られます。決めているなら、決めていると伝えてください。
3. 有給を使いきって辞めるには、どう日程を組めばいいのか
残日数を数えてから、最終出社日に有給の日数を足して退職日を決めます。有給が多く残っている人ほど、退職日を先に決めてしまうと消化しきれないことがあります。
順番はこうです。
- 残日数を確認する(給与明細か勤怠システム)
- 最終出社日を決める
- 最終出社日+有給日数=退職日 として申し出る
シフト制なので、公休と有給が重ならないよう、師長と日程を詰めておく必要があります。
年次有給休暇には2年の時効があり、前の年から繰り越した分も2年を過ぎると使えなくなります。また、有給は在籍している日にしか使えないので、退職日のあとに残った分は消えます。残った有給を買い取るかどうかは職場の決まりによるため、買い取りを前提に日程を組まず、まず消化できる日程を師長と相談してください。
4. 退職後の健康保険と年金は、どう切り替えるのか
次の職場が決まっているかで対応が変わります。
| 状況 | 健康保険 | 年金 |
|---|---|---|
| 翌日から次の職場 | 新しい職場で加入 | 新しい職場で加入 |
| 1日でも空く | 任意継続 または 国民健康保険 | 国民年金(14日以内に手続き) |
| しばらく休む | 同上。家族の扶養に入れる場合もある | 同上 |
任意継続は退職日の翌日から20日以内と期限が短く、過ぎると選べません。国保と保険料を比べて、先に決めておいてください。
保険料を比べるときは、任意継続は退職時の給与をもとに、これまで職場が負担していた分も含めて自分で払うこと、国民健康保険は前の年の所得などをもとに市区町村が計算することを押さえておきます。国保の額は、住んでいる市区町村の窓口やサイトで試算できる場合があります。
住民税の扱いも退職月で変わります。1月から4月に退職する場合は、5月までに納める残りの額が、原則として最後の給与や退職金からまとめて差し引かれます。6月から12月に退職する場合は、申し出て最後の給与からまとめて差し引いてもらうか、残りを自分で納付書で払う形になるので、最後の給与明細と、後から届く通知を確かめてください。
広告
5. 受け取る書類を先にメモしておく
最終出社日にまとめて受け取れるよう、事前に伝えておきます。
- 離職票(失業給付を受けるなら必須)
- 源泉徴収票
- 年金手帳(預けている場合)
- 雇用保険被保険者証
- 看護師免許の原本(預けている病院がある)
免許の原本を病院が預かっている場合、返却に時間がかかることがあります。次の職場の入職日に間に合わないと困るので、早めに確認してください。
離職票は、退職後に職場がハローワークで手続きをしてから発行されるため、最終出社日には受け取れず、後日郵送されることが一般的です。退職後の連絡先と送付先の住所を事務部門に伝えておき、届かない場合に誰に問い合わせればよいかも聞いておくと安心です。
年度途中で辞めるとき
看護職は年度の区切りが強い職場が多く、途中退職を引き止められやすいところです。
ただし、民法では、期間の定めのない雇用は、退職の申入れから2週間で終了するとされています。就業規則の期限は守るべきですが、それを超えて引き止められる義務はありません。
角を立てずに進めるなら、次の勤務先を明かさず、退職日だけを固定して伝えるのが現実的です。
今日やるとしたら
就業規則を開いて、次の2つを確認してください。
- 退職の申出期限
- 有給の残日数
この2つが分かれば、退職日の候補が決まります。逆に、ここを確認しないまま日程を口にすると、あとで動かせなくなります。
よくある質問
- 任意継続の手続きはいつまでですか?
- 退職日の翌日から20日以内です。過ぎると選べないので、国民健康保険と保険料を比べて先に決めておきます。
- 看護師免許の原本は退職時に返してもらえますか?
- 病院が預かっている場合は返却を受けます。返却に時間がかかることがあるので、次の入職日に間に合うよう早めに確認してください。
- 就業規則の期限を過ぎても引き止められたら、辞められないのですか?
- 民法では、期間の定めのない雇用は退職の申入れから2週間で終了するとされています。就業規則の期限は守りつつ、それを超えて引き止められる義務はありません。
この記事に関係する職業
仕事内容・平均年収・求人倍率は、それぞれの職業ページにまとめています。