しごと大全 / 医療の仕事
作業療法士の仕事内容と年収|理学療法士との違いと精神科領域
別名:OT、オキュペーショナルセラピスト
作業療法士は、食事、着替え、家事、仕事といった生活の「作業」を通じて、心身の機能回復と生活の再建を支援する国家資格職です。理学療法士と並べて語られますが、精神科領域を持つ点が決定的に違います。
- 平均年収443.6万円残業代・賞与を含む
- 有効求人倍率4.39倍
- 求人賃金(月額)26.9万円令和7年度
- 平均年齢36.2歳
- 就業者数20.3万人令和2年国勢調査
- 月間労働時間157時間
理学療法士とどう違いますか
理学療法士は、座る・立つ・歩くといった基本動作の回復を扱います。作業療法士は、その先にある応用動作と社会適応を扱います。箸を使う、服のボタンを留める、調理をする、通勤して仕事をする。これらが対象です。
もうひとつの違いが精神科領域です。作業療法士は、うつ病、統合失調症、発達障害、認知症の方に対して、作業活動を通じた治療とリハビリを行えます。理学療法士にはこの領域がありません。
職業データでも差が出ます。作業療法士は「企業的」3.436と「芸術的」3.269が理学療法士より高く、活動を組み立てて人を動かす要素が強い職種です。
実際の場面で比べると違いが見えます。脳卒中のあとに右手が動きにくくなった方なら、理学療法士は立ち上がりや歩行の練習を、作業療法士は食事や着替えの練習、利き手の交換、自助具の選定を担当するという分け方がよく見られます。
働く場所の選択肢は広いですか
身体障害領域は、急性期病院、回復期リハビリテーション病棟、整形外科、介護老人保健施設、訪問リハビリ。精神科領域は、精神科病院、デイケア、就労移行支援事業所。発達領域は、児童発達支援、放課後等デイサービス、特別支援学校。老年期領域は、認知症対応のデイサービスや施設。
この幅が作業療法士の強みです。身体が合わなければ精神科へ、精神科が合わなければ発達領域へ、という移り方ができます。
有効求人倍率4.39倍という需給のなかで、領域を変えて続けられるのは実質的な安心材料になります。
領域によって1日の流れも変わります。回復期病棟では1人あたり決まった単位数のリハビリを時間割どおりに回し、デイケアでは料理や手工芸などの集団プログラムを運営し、訪問リハビリでは移動しながら自宅で練習を行います。
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作業療法士の1日は、評価と記録にどれくらい時間を使いますか
リハビリの時間そのもの以外に、評価、計画づくり、記録、カンファレンスが仕事の大きな部分を占めます。初回には身体機能や認知機能、生活の様子を検査と聞き取りで評価し、目標と練習内容を計画にまとめます。
病院では、医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカーと集まるカンファレンスで、退院の時期や自宅に戻るための準備を話し合います。退院前に自宅を訪問し、段差や浴室の使い方を確認することもあります。
記録は電子カルテに残すのが一般的で、診療報酬の算定にも関わるため、書き方の決まりを守る必要があります。面接では、記録の時間が勤務時間内に確保されているかを聞いておくと、入職後のずれを減らせます。
年収と待遇はどうなっていますか
平均年収443.6万円、求人賃金は月額26.9万円。理学療法士とほぼ同水準です。夜勤がないぶん、看護師の524.7万円より低くなります。
収入を伸ばすなら、認定作業療法士や専門作業療法士、訪問リハビリの担当、管理職、あるいは就労支援や福祉用具の領域で専門性を示す道があります。
養成校の増加で有資格者は増えており、求人があることと条件の良い求人があることは別です。領域を絞って専門性を出すことが、この職種では実際的な対策になります。
求人票で比べたいのは、基本給と手当の内訳、1日に求められる単位数の目安、訪問1件ごとの手当の有無、土日の出勤、学会や研修への参加費の補助です。同じ月給でも、ノルマの重さや休日の取り方で働きやすさは大きく変わります。
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どんな人が向いていますか
職業データでは「社会的」4.244が最も高く、「現実的」3.667、「研究的」3.487が続きます。人と関わりながら、手を使い、評価と仮説検証を回す仕事です。
作業療法は、その人にとって意味のある活動を見つけるところから始まります。答えが一つに決まらないため、相手の生活を聞き取って組み立てる力が要ります。
逆に、手順が明確に決まっている仕事のほうが安心するタイプには、負担が大きくなりやすい職種です。
道具や環境を工夫して「できる」に変える発想が好きな人には向いています。手すりの位置を考える、持ちやすい箸を探す、作業の手順を分けて覚えやすくする、といった小さな工夫の積み重ねが成果になる仕事です。
作業療法士になるまでの道のりと、最初の職場の選び方
作業療法士になるには、養成課程のある大学、短期大学、専門学校で3年以上学び、国家試験に合格して免許を受ける必要があります。在学中には病院や施設での臨床実習があり、ここで領域の向き不向きを知る人も多くいます。
最初の職場は、教育体制で選ぶ考え方があります。先輩の作業療法士が何人いるか、新人に指導担当がつくか、症例検討の機会があるかを確かめてください。作業療法士が自分ひとりだけの職場では、判断を相談できる相手がいないことがあります。
数年の経験を積んだあとは、回復期から訪問へ、病院から就労支援へといった領域の移動や、認定作業療法士の取得、後輩の指導役への移行が選択肢になります。どの道を選ぶかを早めに考えておくと、経験の積み方を選びやすくなります。
関連する資格
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作業療法士(OT)の仕事の傾向
職業情報データベース(job tag)の職業興味の数値。5点満点。
作業療法士(OT)に近い仕事
職業データの傾向が作業療法士(OT)に近い順に並べています。求人が見つからないときは、この範囲まで広げると選択肢が増えます。
理学療法士(PT)基本動作の回復が中心
言語聴覚士(ST)話す・聞く・飲み込む機能
- 義肢装具士装具の製作と適合
看護師医療現場の中心
福祉ソーシャルワーカー相談援助。生活の再建が共通
- はり師・きゅう師東洋医学の施術
よくある質問
理学療法士は座る・立つ・歩くの基本動作、作業療法士は食事・着替え・家事など応用動作と社会適応を扱います。作業療法士は精神科領域を持つ点が大きな違いで、働く場所の幅が広くなります。
平均年収443.6万円、求人賃金は月額26.9万円で、理学療法士とほぼ同水準です。夜勤がないぶん看護師の524.7万円より低くなります。
身体障害領域(病院、回復期病棟、訪問リハビリ)、精神科領域(精神科病院、デイケア、就労移行支援)、発達領域(児童発達支援、特別支援学校)、老年期領域と幅広く、領域を変えて続けられるのが強みです。
有効求人倍率は4.39倍と求人は多い状態ですが、養成校の増加で有資格者は増えています。領域を絞って専門性を出すことが実際的な対策になります。
作業療法士(OT)の転職を進めるときに読むもの
作業療法士(OT)の転職でつまずきやすいところは、JobLinkaの「資格職の転職」にまとめています。求人の探し方、企業からどう見られるか、いまの会社にバレずに進める方法まで、職業ページとあわせて読むと判断がしやすくなります。
自分で探すか、声がかかるのを待つか
作業療法士(OT)の有効求人倍率は4.39倍です。倍率が低い職種ほど自分から探し続ける方式は消耗が大きく、高い職種ほど条件を出して待つほうが良い条件に当たります。どちらが自分に向いているかは、9つの質問で確かめられます。
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