管理栄養士・栄養士の退職でよくある5つの思い込み。献立・発注・委託契約の締めから辞める日を考える
「献立を立てたのは自分だから、次の献立期間が終わるまでは辞められない」。給食の現場で働く管理栄養士・栄養士から、よく聞く考え方です。
ただ、法律で決まっている退職のルールと、職場の段取りの話は別のものです。この記事では、退職のときによく出てくる思い込みを5つ取り上げ、何が法律で決まっていて、何が職場ごとの事情なのかを分けて整理します。最後に、辞める日を決めるための目安の表を置いています。
思い込み1:後任が決まるまでは辞められない?
民法では、期間の定めのない雇用は、辞めると申し入れた日から2週間が過ぎると終わるとされています。後任が決まっていることは、退職の条件ではありません。
一方で、就業規則に「退職は1か月前までに申し出る」などの定めがある職場も多くあります。揉めずに辞めたいなら、就業規則の期限に合わせて伝えるのが現実的です。
契約社員など期間の定めがある雇用では、考え方が変わります。契約書の期間と、途中で辞める場合の定めを先に確かめてください。
後任を探すのは雇う側の仕事です。自分にできるのは、献立の作り方や発注先、アレルギー対応の一覧などを引き継ぎ資料にまとめておくことです。
広告
思い込み2:管理栄養士がいないと施設が違法になるから、引き止めに応じるしかない?
健康増進法では、特別な栄養管理が必要として都道府県知事が指定した特定給食施設には、管理栄養士を置かなければならないと定めています。それ以外の特定給食施設は、栄養士か管理栄養士を置くよう努めることとされています。
この義務を負っているのは、施設の設置者です。施設が後任を急ぐ理由にはなりますが、働く人の退職を止める根拠にはなりません。
ただ、自分が施設でただ一人の管理栄養士なら、後任探しに時間がかかるのは事実です。早めに伝えることが、結果として自分の辞めやすさにもつながります。
思い込み3:献立期間が終わるまでは待つべき?
待つ決まりはありません。献立を前もって立てる職場では、次の献立を立て始める前に伝えておくと、後任が最初から自分で作れるので引き継ぎが楽になります。職場ごとの目安は次のとおりです。
| 職場 | 区切りになりやすいもの | 伝える時期の考え方 |
|---|---|---|
| 病院・介護施設 | 献立の期間、食材の発注、栄養ケア計画 | 次の献立を立て始める前 |
| 保育園・学校 | 月ごとの献立表の配布、アレルギー対応の面談 | 学期や年度の切れ目の少し前 |
| 給食委託会社 | 契約先ごとの担当替え | 会社の人事異動の時期 |
| 保健指導・クリニック | 継続して指導している人 | 担当する人の区切り |
あくまで目安です。発注の締めや献立の期間は、職場によって違います。

思い込み4:委託会社の社員は、施設の担当者に伝えればよい
給食委託会社に勤めている場合、雇用契約の相手は委託会社です。最初に伝えるのは会社の上司で、施設の担当者には、会社と退職日や後任の段取りを決めてから伝えます。順番が逆になると、施設と会社の間で話が食い違いやすくなります。
また、辞めたい理由が特定の施設との相性であれば、会社の中で別の契約先へ移る選択肢がある場合もあります。辞めるかどうかを決める前に、異動の可能性を聞いておいても損はありません。
広告
思い込み5:資格があるから、辞めてから探しても同じ
管理栄養士・栄養士の免許に更新の手続きはないので、辞めても資格はそのまま使えます。ただ、保育園は4月入職の求人が多いなど、職場によって採用の時期には偏りがあります。
在職中に求人の傾向だけでも見ておくと、辞める日を決めやすくなります。辞めたあとにしばらく離れる予定なら、ブランクのある管理栄養士・栄養士は、どの職場から戻りやすいかも参考にしてください。切り出し方そのものは、退職はいつ切り出すかにまとめています。
今日やるとしたら
カレンダーに、次の献立を立て始める日と、就業規則の退職申出の期限を並べて書いてみてください。
その2つの日付の間が、退職を伝えるのにいちばん無理のない時期です。
よくある質問
- 後任の管理栄養士が見つかるまで辞めないでと言われたら、従う必要がありますか?
- 期間の定めのない雇用であれば、民法では申し入れから2週間で雇用が終わるとされています。後任探しは雇う側の仕事なので、就業規則の申出期限を確かめたうえで、退職日と引き継ぎの予定を具体的に示すのが現実的です。有期契約の場合は、契約書の期間と条件を確認してください。
- 給食委託会社に勤めている場合、退職はだれに伝えますか?
- 雇用契約を結んでいるのは委託会社なので、まず会社の上司に伝えるのが順番です。施設の担当者には、会社と退職日や後任の段取りを決めてから伝えると、話が食い違いにくくなります。
- 献立を立て終えてから辞めたほうがよいですか?
- 決まりはありません。次の献立を立て始める前に退職を伝えておくと、後任が最初から献立を作れるので、引き継ぎの負担が小さくなることが多いです。
この記事に関係する職業
仕事内容・平均年収・求人倍率は、それぞれの職業ページにまとめています。