退職金500万円なら、所得税は約2.5万円。勤続年数から退職所得控除を出す計算シート
退職金が500万円、勤続10年なら、差し引かれる所得税(復興特別所得税を含む)は約2万5,525円です。思ったより少ないと感じる人が多いのは、退職金には大きな控除があり、さらに残りの半分にしか税金がかからないからです。
この記事は、自分の数字を入れて計算できるように作ってあります。手元に、勤続年数と退職金の見込み額を用意してください。ここで計算するのは所得税だけです。
退職金の税金は、どんな順番で計算する?
一般的な退職金なら、順番は次の3つです。
- 勤続年数から退職所得控除を出す
- (退職金 − 退職所得控除)× 1/2 で、税金がかかる部分を出す
- 税率をかけ、復興特別所得税(所得税の2.1%)を足す
勤続年数に1年未満の端数があれば、1年に切り上げます。10年2か月なら11年です。
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退職所得控除を、勤続年数から出す
| 勤続年数 | 退職所得控除 | 例 |
|---|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 年数(80万円に満たなければ80万円) | 10年 → 400万円 |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(年数 − 20年) | 25年 → 1,150万円 |
障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、ここに100万円を足します。
計算シート:3つの例で手を動かす
| 例A | 例B | 例C | 自分 | |
|---|---|---|---|---|
| 勤続年数 | 3年2か月→4年 | 10年 | 25年 | 〇年 |
| 退職金 | 100万円 | 500万円 | 1,500万円 | 〇円 |
| 退職所得控除 | 160万円 | 400万円 | 1,150万円 | 〇円 |
| 税金がかかる部分 | 0円 | 50万円 | 175万円 | 〇円 |
| 所得税(5%) | 0円 | 2万5,000円 | 8万7,500円 | 〇円 |
| 復興特別所得税を含む | 0円 | 約2万5,525円 | 約8万9,337円 | 〇円 |
税金がかかる部分が195万円以下なら税率は5%です。それを超えると税率が上がるので、国税庁の税率表で確かめてください。

「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと、どうなる?
会社から渡されるこの申告書を出すと、会社が上の計算で税金を差し引き、原則として手続きは終わります。
出さないと、退職金の額に20.42%をかけた額が差し引かれます。例Bなら、2万5,525円ではなく102万1,000円です。多く引かれた分は確定申告で戻せますが、手間が一つ増えます。退職時に受け取る書類は退職のとき、会社から受け取る書類と返すものは?で一覧にしています。
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勤続5年以下・役員のときは、何が違う?
勤続5年以下の場合(短期退職手当等)、控除を引いた額のうち300万円を超える部分には1/2がかかりません。たとえば勤続4年で退職金700万円なら、控除160万円を引いた540万円のうち、300万円の部分は半分の150万円、超えた240万円はそのまま足して、390万円が税金のかかる部分になります。
役員としての勤続が5年以下の役員の場合は、1/2そのものがかかりません。当てはまりそうなら、早めに会社の担当者に確かめておくと安心です。
今日やるとしたら
入社日を確かめ、勤続年数を端数を切り上げた年数で出し、退職所得控除を一つ計算してください。
控除額が分かれば、退職金の見込み額と比べるだけで、税金がかかるかどうかの見当がつきます。住民税の払い方は退職したあとの住民税は、いつ、いくら払うのかを参考にしてください。
よくある質問
- 退職金の勤続年数に端数があるときは、どう数えますか?
- 1年未満の端数は1年に切り上げます。国税庁の例では、勤続10年2か月は11年として計算します。
- 「退職所得の受給に関する申告書」を出し忘れたら、どうなりますか?
- 退職金の額に20.42%をかけた所得税・復興特別所得税が源泉徴収されます。多く引かれた分は、確定申告をすれば精算できます。
- 退職金に住民税もかかりますか?
- 住民税もかかり、ほかの所得とは分けて計算され、退職金から差し引かれるのが一般的です。金額は支払いを受けたときの明細で確かめてください。この記事の計算は所得税のみです。
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