年収500万円で残業月30時間と、年収450万円で残業なし。1時間あたりに直すと、どちらが高い?
年収500万円で残業が月30時間の求人と、年収450万円で残業がほとんどない求人。年収だけ見れば前者が50万円多いのですが、働く時間で割ると、順番が入れ替わることがあります。
この記事は、求人や今の職場を「1時間あたりいくら」で比べるためのワークシートです。電卓と、比べたい求人票を1枚用意して、上から順に数字を埋めてください。
年収だけで比べると、何がずれるのか?
年収は「1年でいくら受け取るか」を表す数字で、そのために何時間働くかは含まれていません。
同じ年収でも、年間休日が105日の職場と125日の職場では、働く日数が20日違います。残業が月30時間あれば、1年で360時間、1日8時間に直すと45日分です。
市場価値を考えるときも、年収の額だけでなく、どれだけの時間と引き換えにその額を受け取っているかを見ておくと、条件の良し悪しを取り違えにくくなります。
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ワークシート:4つの数字を埋める
例として、冒頭の2つの求人を計算しました。右の列に、あなたの数字を入れてください。
| 項目 | 求人A | 求人B | あなた |
|---|---|---|---|
| ① 年収 | 500万円 | 450万円 | |
| ② 年間の所定労働時間 | 1,920時間 | 1,920時間 | |
| ③ 年間の残業時間 | 360時間 | 0時間 | |
| ④ 合計(②+③) | 2,280時間 | 1,920時間 | |
| 1時間あたり(①÷④) | 約2,193円 | 約2,344円 |
この例では、年収が50万円少ない求人Bのほうが、1時間あたりでは150円ほど高くなります。どちらを選ぶかは人それぞれですが、「50万円は、年360時間の残業と引き換えの金額」と分かったうえで選べます。
②の所定労働時間は、求人票のどこから出すか?
求人票の「年間休日」と「就業時間」を使います。
- 年間の勤務日数 = 365日 − 年間休日
- 所定労働時間 = 勤務日数 × 1日の所定労働時間(休憩を除く)
年間休日125日、9時〜18時で休憩1時間なら、240日×8時間で1,920時間です。年間休日が105日なら260日×8時間で2,080時間になり、同じ年収でも1時間あたりの額は下がります。
年間休日が書かれていない求人は、「完全週休2日」か「週休2日」かを確かめ、面接で年間休日の日数を聞いておくと計算できます。

③の残業時間と残業代は、どう扱えばいいか?
注意したいのは、①の年収に残業代が含まれているかです。
- 求人票の年収に残業代が含まれている(固定残業代を含む)なら、上の表のとおり③を足して割ります
- 残業代が別に支払われるなら、実際の年収は①より増えるので、表の結果が逆転することもあります
法律では、時間外労働の割増賃金は25%以上、月60時間を超える部分は50%以上と決められていて、中小企業にも2023年4月から50%以上が適用されています。固定残業代がある求人は、何時間分が含まれているかを確かめてください。求人票の月給の内訳は求人票の「月給」に何が含まれているのかで詳しく見ています。
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通勤時間を足すと、どう変わるか?
仕事のために使う時間として、通勤を足して比べる方法もあります。
求人Aの通勤が片道1時間、今の職場が片道30分だとすると、差は1日1時間、240日で240時間です。④に240時間を足すと2,520時間になり、求人Aの1時間あたりは約1,984円まで下がります。
通勤時間は給与の計算には入りませんが、毎日使う時間であることは変わりません。在宅勤務の日数が多い職場なら、その分を差し引いて計算します。
今日やるとしたら
ワークシートの「あなた」の列に、今の職場の数字を入れて、1時間あたりの額を出してください。
その数字が一つあるだけで、次に求人を見たとき、年収の額に引っぱられずに比べられるようになります。
よくある質問
- 年収を時給に直すには、どう計算しますか?
- 年収を、1年間に働く時間で割ります。働く時間は、365日から年間休日を引いた日数に1日の所定労働時間をかけ、残業時間を足して出します。年間休日125日・1日8時間なら所定労働時間は1,920時間です。
- 残業代が出る職場なら、残業が多いほうが得ではないですか?
- 残業代が別に支払われるなら年収は増え、1時間あたりの額も変わります。割増賃金は25%以上、月60時間を超える部分は50%以上です。ただし働く時間も増えるので、額と時間の両方を見て決めるのがおすすめです。
- 求人票に年間休日が書かれていないときは?
- 「完全週休2日」か「週休2日」か、祝日や年末年始の休みがあるかを確かめます。分からなければ、面接で年間休日の日数を聞いておくと計算できます。
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