職種が変わっても持っていける力は何か。厚生労働省の「ポータブルスキル見える化ツール」で強みを書き出す
厚生労働省は、業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力を「ポータブルスキル」と呼んでいます。専門の知識や技術とは別の、仕事の進め方や人との関わり方のことです。
「自分には特別なスキルがない」と感じている人ほど、この部分を言葉にしていないことが多いです。この記事では、厚生労働省の定義と見える化ツールを使って、強みを書類に使える一行にするまでの手順を示します。
ポータブルスキルとは何を指すのか?
厚生労働省の支援者向け教材では、職業能力を「専門技術・専門知識」と「ポータブルスキル」に分け、ポータブルスキルをさらに2つに分けています。
- 仕事のし方:現状の把握、課題の設定、計画の立案、課題の遂行、状況への対応(5項目)
- 人との関わり方:社内対応、社外対応、上司対応、部下マネジメント(4項目)
職種が変わると専門知識は一部しか持っていけませんが、この9項目は形を変えて使えます。
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9つの項目を、自分の仕事に置き換える
項目名のままだと抽象的なので、身近な仕事に置き換えてみます。
| 項目 | 置き換えた例 |
|---|---|
| 現状の把握 | 毎月の数字や問い合わせ内容から、何が起きているかをつかむ |
| 課題の設定 | 「何を直せばいちばん効くか」を決める |
| 計画の立案 | 期限と手順を決めて、関係者に共有する |
| 課題の遂行 | 決めたことを最後までやり切る。途中で詰まったら相談する |
| 状況への対応 | 急な欠員やトラブルのとき、優先順位を組み替える |
| 社内対応 | ほかの部署に頼みごとをして、動いてもらう |
| 社外対応 | 取引先やお客様と条件をすり合わせる |
| 上司対応 | 判断に必要な材料をそろえて、上司に決めてもらう |
| 部下マネジメント | 後輩に仕事を任せ、進み具合を見て手を貸す |
どの行にも「そういえばやっている」ものがあるはずです。
見える化ツールでは何を入力し、何が返ってくるのか?
ツールは厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で公開されています。教材によると、流れはおおむね次の3段階です。
- 9つの項目に、得意な度合いに応じて合計29点を配分する(各項目1点以上)
- 項目ごとに、どのくらいの水準で行ってきたかを選ぶ
- スキルが近い職務・職位と、その比較が表示される
ミドルシニアのホワイトカラー職種の人を主な対象とし、キャリアコンサルタントなどの支援者が相談の場で使うことを前提に作られています。結果は応募先を決めるものではなく、選択肢を広げる材料として見るのが使い方に合っています。

結果を、1項目1行の実例に直す
点数を多く配分した上位3項目について、次の型で一行ずつ書きます。
「(いつ・どこで)+(何が起きていて)+(自分が何をして)+(どうなったか)」
例:「前年の繁忙期に、問い合わせの返信が遅れていたため、よくある質問を10個にまとめて共有し、返信までの日数を短くした」
数字がなくても構いません。自分が何をしたかが具体的であれば、項目名よりずっと伝わります。
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プロフィールや職務経歴書のどこに使うか
書いた一行は、職務経歴書の「活かせる経験」や、スカウト型サイトの自己紹介にそのまま使えます。職種名で探されにくい人ほど、この一行が企業の目に留まる手がかりになります。
書き方の組み立ては職務経歴書が書けない。3行のメモから始める書き方、市場価値の全体の確かめ方は自分の市場価値がわからない人のための、簡単な確認手順にまとめています。
今日やるとしたら
9つの項目の表を見て、自分がいちばん多くやっていると思う項目を1つ選び、上の型で一行だけ書いてみてください。
ツールを使うのは、その一行が書けてからでも遅くありません。
よくある質問
- ポータブルスキルとは何ですか?
- 厚生労働省は「業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力」としています。専門知識・技術とは別に、「仕事のし方」(現状の把握、課題の設定など5項目)と「人との関わり方」(社内対応、社外対応など4項目)で整理されています。
- 見える化ツールはだれでも使えますか?
- 厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で公開されています。主にミドルシニアのホワイトカラー職種の人がキャリアチェンジを考えるときの利用を想定し、キャリアコンサルタントなどの支援者が相談の場で使うことを前提に作られています。
- 診断結果の職務に応募しなければいけませんか?
- その必要はありません。結果は、自分のスキルが近い職務・職位の例です。気づいていなかった選択肢を知るきっかけとして使い、実際に応募するかは求人の中身を見て決めてください。
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