「リファレンスチェック=前の職場への身辺調査」ではない。採用担当者が推薦者に聞くことと、頼まれたときに確かめる4つの点
リファレンスチェックとは、応募者と一緒に働いたことのある人(推薦者)に、仕事ぶりや人柄について話を聞くことです。外資系やIT企業で多く使われてきましたが、最近は管理職や専門職の中途採用で、選考の終盤に取り入れる会社もあります。
「前の職場に勝手に電話されるのでは」と身構える人もいますが、実際の進め方はかなり違います。この記事では、よくある思い込みを一つずつほどきながら、採用担当者の側で何が行われているかを説明します。
本人に黙って、前の職場に連絡するもの?
一般的なリファレンスチェックは、本人の同意を得たうえで、本人が選んだ推薦者に話を聞く形です。
職業安定法にもとづく指針は、求職者の個人情報を集めるときは、本人から直接集めるか、本人の同意の下で本人以外の者から集めるなど、適法で公正な手段によるよう定めています。また、前の職場が応募者の情報を外に伝えるときも、個人情報保護法の考え方から、原則として本人の同意が必要です。
そのため、多くの会社は「推薦者を2名ご紹介ください」と応募者に頼むところから始めます。
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採用担当者は、推薦者に何を聞いている?
聞く内容は会社によって違いますが、多いのは次のようなことです。
| 聞くこと | 例 |
|---|---|
| 一緒に働いた期間と関係 | 「どのくらいの期間、どんな立場で一緒に働きましたか」 |
| 担当していた仕事 | 「面接で聞いた役割や成果は、実際と合っていますか」 |
| 仕事の進め方 | 「忙しいとき、どう優先順位をつけていましたか」 |
| 周りとの関わり | 「意見が違うとき、どう話し合う人でしたか」 |
| 次の職場で活かせる点 | 「どんな環境なら力を出しやすいと思いますか」 |
指針は、本籍や出生地、思想・信条、労働組合への加入状況など、差別のもとになりうる情報を、原則として集めてはならないとしています。仕事の適性と関係のないことを聞く場ではない、ということです。

「落とすための調査」なの?
採用担当者にとって、リファレンスチェックは面接で聞いた話を、別の角度から確かめる手段です。面接は限られた時間なので、入社後にどんな場面で力を出せるかを、一緒に働いた人の言葉で補いたい、という意図があります。
もちろん、職歴や役職に大きな食い違いがあれば、判断に影響します。逆に言えば、面接で話した内容と推薦者の話がそろっていれば、それ自体が評価を後押しします。面接で話す内容と書類をそろえておくことは、職務経歴書のチェックリストも参考にしてください。
推薦者は、誰に頼めばいい?
頼みやすいのは、仕事ぶりを近くで見ていた元上司や先輩、同僚です。会社から「直属の上司を1名含めて」などの条件が出ることもあります。
- 在職中で今の職場の人には頼めない → 前の職場の上司や、退職した元同僚に頼めないか相談する
- 前の職場と気まずく辞めた → 部署の違う先輩や、取引先の担当者で代えられないか聞く
推薦者には、応募先の会社名と職種、面接で話した強みを短く伝えておくと、話がかみ合いやすくなります。
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頼まれたとき、確かめておく4つの点は?
- いつ行うか(内定前か、内定後か)
- 推薦者の人数と条件(上司は必須か、今の職場の人を外せるか)
- 聞かれる内容と方法(オンラインの質問票か、電話か)
- 結果をどう使うか(選考の判断に使うのか、入社後の配属の参考か)
これを聞くことは失礼ではありません。採用担当者の側も、推薦者に負担をかけないために段取りを知ってほしいと考えています。
今日やるとしたら
推薦を頼めそうな人を、今の職場以外から2人、名前を書き出してください。
選考の終盤で急に頼まれても、候補が決まっていれば、落ち着いて連絡できます。
よくある質問
- リファレンスチェックを断ったら、不採用になりますか?
- 断ったことだけで必ず不採用になるとは限りませんが、企業によっては選考の必須の手順にしていることもあります。断る前に、在職中で今の職場には頼めない、などの事情を伝え、前の職場の人や取引先に代えられないか相談してみるのが現実的です。
- 在職中ですが、今の会社に転職活動が知られませんか?
- 推薦者を自分で選ぶ形なら、今の職場の人を外せば知られにくくなります。企業が推薦者を指定する場合や、在籍確認として今の会社に連絡する場合もあるので、実施の前に「現職への連絡はあるか」をはっきり聞いておきましょう。
- 内定のあとにリファレンスチェックがあり、内定を取り消されることはありますか?
- 内定によって労働契約が成立していると考えられる場合、取り消しは解雇と同じように、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が求められるとされています。経歴の重大な偽りが分かった場合などは問題になりえますが、個別の事情で判断が分かれるため、心配なときは労働局の総合労働相談コーナーなどに相談してください。
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