「SRPは一人でできますか」に何と答える? 歯科衛生士の面接で聞かれる質問と、経験別の答えの文例
午前の診療が終わった13時、院長室で面接が始まります。最初の質問は「前の医院では、SRPまで一人でやっていましたか」。歯科衛生士の面接は、志望動機や自己PRより先に、こうした仕事の中身を聞く質問から入ることがよくあります。
小さな医院では、院長が面接官を兼ね、入職した翌週からどの患者さんを任せるかを考えながら話を聞いています。この記事では、よく聞かれる質問を「技術」「辞めた理由」「勤務条件」に分け、経験の違いごとに答えの文例を並べました。自分に近い文例を一つ選び、処置の名前と人数を自分のものに入れ替えて使ってください。
院長は、面接で何を確かめているのか?
歯科衛生士法では、歯科衛生士の業務は予防処置、歯科診療の補助、歯科保健指導の3つとされています。面接での質問の多くは、このうちどれを、どこまで一人で任せられるかを確かめるためのものです。
そのため、「何でもできます」「頑張ります」と答えるより、処置の名前と頻度を具体的に話すほうが、院長は入職後の姿を描きやすくなります。反対に、できないことをあいまいにすると、入職してから任される範囲と合わずに苦しくなります。できることと、まだ一人ではできないことを分けて話すつもりで準備します。
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技術と担当の形を聞かれたら、どう答える?
「SRPは一人でやっていましたか」
「歯周基本治療は、スケーリングからSRPまで一人で担当していました。麻酔が必要なケースは先生にお願いし、再評価の歯周検査まで自分で記録していました」
経験が浅い場合やブランク明けなら、こう言い換えられます。
「SRPは前の医院で月に数件、先生の確認を受けながら行っていました。入職後しばらくは確認をお願いしたいと考えています」
「担当制でしたか。1日に何人くらい診ていましたか」
「担当制で、1日6〜8名を30分から1時間の枠で診ていました。メインテナンスの患者さんが半分ほどでした」
人数は目安で構いません。アシスト中心だった人は「外科処置とインプラント手術のアシストが中心で、メインテナンスは週に数名でした」のように、仕事の割合で伝えます。
「苦手な処置はありますか」
「特にありません」より、一つ挙げてどう補ってきたかを添えます。
「小児の患者さんへのフッ化物塗布は経験が少なく、先輩が保護者に説明する場面に入って、言い方を覚えました」
医院によっては、面接の日に実技を見たり、診療を見学したりすることがあります。日程の連絡を受けたときに、実技や見学があるか、白衣や上履きが要るかを聞いておくと、当日に慌てずに済みます。
前の医院を辞めた理由と、ブランクはどう話す?
辞めた理由は、前の医院への不満で終わらせず、次の職場でしたいことにつなげます。
「担当制でメインテナンスを続けたいと考えていましたが、前の医院ではアシスト業務が中心になり、担当を持つ機会がありませんでした。貴院が予防に力を入れていると求人で拝見し、応募しました」
ブランクがある場合は、離れた理由を一言で済ませ、戻るための準備と働ける時間を具体的に伝えます。
「子育てのため4年間離れていました。この2か月、歯科衛生士会の復職支援の研修で超音波スケーラーの操作を練習し直しています。平日は9時から16時まで勤務できます」
履歴書に書いた理由と食い違わないように話してください。書類の整え方は歯科衛生士の履歴書・職務経歴書で書き漏らしやすい9項目にまとめています。

勤務条件は、面接のどこで聞くか
条件の質問は、面接の終わりに「何か聞きたいことはありますか」と言われたときにまとめて聞くと、話の流れを崩しません。
| 確かめたいこと | 聞き方の例 |
|---|---|
| 片付けと終業の時刻 | 「最後の患者さんのあと、片付けと滅菌は何時ごろまでかかることが多いですか」 |
| 昼休み | 「昼休みに院内の勉強会や準備が入る日はありますか」 |
| 担当を持つまで | 「入職後、担当の患者さんを持つまでの流れを教えてください」 |
| 訪問歯科 | 「今後、訪問歯科に入る可能性はありますか」 |
| 研修・セミナー | 「院外のセミナーの費用や、参加する日の扱いはどうなっていますか」 |
2024年4月から、働く人に労働条件を示すときは、就業場所と業務の変更の範囲も書くことになりました。訪問歯科や分院への配置がありうるかは、内定後に受け取る労働条件通知書でも確かめられます。健康保険の種類の見分け方は歯科医院の求人の「社保完備」、健康保険はどっち?にまとめています。
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答えにくい質問をされたら?
厚生労働省は「公正な採用選考の基本」で、本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅の状況、宗教、支持政党、尊敬する人物、愛読書などを、適性や能力と関係がなく就職差別につながるおそれのある事項として挙げています。
小さな医院では、雑談の延長で「ご実家はどちら」「ご主人のお仕事は」と聞かれることがあります。答えたくないときは、「家族のことは控えさせてください。勤務できる日と時間は、先ほどお伝えしたとおりです」と、働く条件の話に戻すと角が立ちにくくなります。
「子どもの急な発熱のときはどうしますか」のように、勤務の続けやすさを確かめる質問もあります。この場合も家族の事情を細かく話す必要はなく、「急な休みが出たときは、半日で戻れるよう家族と分担しています」のように、勤務への影響だけを答えれば足ります。
今日やるとしたら
「SRPは一人でやっていましたか」への答えを、処置の名前と人数を入れて一文で書いてみてください。声に出して20秒ほどで言えれば、面接の最初の質問で慌てにくくなります。
よくある質問
- 歯科衛生士の面接で、実技試験はありますか?
- 医院によって違います。面接の日に実技を見たり、診療を見学したりする医院もあるので、日程の連絡を受けたときに、実技や見学の有無と、白衣や上履きが必要かを聞いておくと安心です。
- アシスト中心の経験しかないと、面接で不利になりますか?
- 任せられる範囲が違うだけで、それ自体で不採用と決まるものではありません。アシストしてきた処置の名前と、メインテナンスをどのくらい担当していたかを割合で伝え、担当を持ちたい理由を話すと、医院も入職後の育て方を考えやすくなります。
- 面接で家族のことを聞かれたら、答えなければいけませんか?
- 厚生労働省は、家族の職業や収入などを就職差別につながるおそれのある事項としています。答えたくないときは、控えたい旨を伝えたうえで、勤務できる日と時間の話に戻すと角が立ちにくくなります。
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