看護師の給料は「ベースアップ評価料」でどう上がる? 給与明細と求人票で確かめる6つの点
2026年度の診療報酬改定で、病院や診療所の職員の賃上げにあてるベースアップ評価料が見直されました。厚生労働省の資料では、令和8年度に3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)のベースアップを目指すとされています。
とはいえ、自分の給与明細を見ても「どこが上がったのか分からない」という声は少なくありません。この記事では、今の職場で確かめる3つの点と、転職先の求人で確かめる3つの点を順に並べました。
ベースアップ評価料は、看護師の給料にどうつながる?
流れは次のとおりです。
- 医療機関が届出をして、診療報酬の中でベースアップ評価料を算定する
- その収入を、対象職員の基本給や毎月決まって支払われる手当の引上げにあてる
- 引上げに伴う賞与や時間外手当、社会保険料の会社負担の増加分にもあてられる
看護師・准看護師・保健師・助産師は、もともと対象職員に入っています。2026年度からは対象が広がり、40歳未満の医師や事務職員なども含まれるようになりました。
つまり、届出をしていない医療機関では、この仕組みによる賃上げはありません。また、3.2%は目指す率で、全員が一律に3.2%上がると決まっているわけではありません。
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確かめる点1〜3:給与明細のどこに出ているか
前年の同じ月の明細と並べて、次の3か所を見比べます。
| 確かめる点 | 明細での出方の例 | 見るところ |
|---|---|---|
| 1. 基本給 | 基本給の額そのものが上がっている | 号俸の昇給分と別に上がっているか |
| 2. 毎月の手当 | 「ベア手当」「処遇改善手当」など | 名前は病院ごとに違う。毎月同じ額か |
| 3. 夜勤手当 | 1回あたりの単価が上がっている | 単価×回数で、月の額がどう変わったか |
手当の名前は医療機関が決めるため、明細だけで分からなければ、事務部門や看護部に「ベースアップ評価料の分は、どの項目で支給されていますか」と聞いて構いません。

夜勤手当で上がった場合、夜勤を減らすとどうなる?
2026年度からは、交代制勤務の職場で支払われる夜勤手当も、毎月支払われる手当に準じて基本給等に含めてよいことになりました。
この場合、引上げ分は夜勤の回数に比例します。月8回入る人と月4回の人では、同じ単価の引上げでも受け取る額が倍違います。日勤のみの働き方に移ると、その分は受け取れません。
夜勤の回数で年収がどう動くかは、看護師の年収は、夜勤を月4回減らすといくら変わる?の計算シートで確かめられます。夜勤を減らしたい人ほど、基本給で上がったのか、夜勤手当で上がったのかを分けて見ておくと、次の職場と比べやすくなります。
確かめる点4〜6:転職先の求人で聞くこと
求人票には「ベースアップ評価料算定」とまでは書かれていないことが多いので、面接や見学で次の3つを聞きます。
- ベースアップ評価料の届出をしているか。病院・診療所・訪問看護ステーションのどれでも、仕組みがあるかどうかは確かめられる
- 引上げ分は、基本給・手当・夜勤手当のどれで出ているか。求人票の月給にすでに含まれているかも聞く
- 賞与の計算に入るか。基本給で上がった場合は賞与にも響くが、手当の場合は入らないことがある
介護施設で働く看護職員は、診療報酬ではなく介護報酬の処遇改善の仕組みになります。配分の決め方は事業所ごとに違うため、同じように手当の出方を聞いておきます。
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「上がらなかった」と感じたら、何を見る?
号俸の昇給と重なって、引上げ分が見えにくくなっていることがあります。前年の明細と比べて、基本給・毎月の手当・夜勤の単価の3つを分けて差を書き出すと、どこで上がったのか、上がっていないのかが分かります。
それでも分からない場合は、職場の説明資料や掲示を確かめるか、事務部門に聞いてください。給与の額だけで職場を決める必要はありませんが、転職先と比べるときの土台になります。
今日やるとしたら
今月と前年同月の給与明細を2枚並べて、基本給・毎月の手当・夜勤手当の単価の3つに、それぞれいくらの差があるかを書き出してください。どこで上がったかが分かれば、職場に聞くことも、転職先で聞くことも一つに絞れます。
よくある質問
- ベースアップ評価料があれば、看護師の給料は必ず3.2%上がりますか?
- 必ず上がるとは限りません。3.2%は国が示した目指す率で、算定するかどうか、職員にどう配分するかは医療機関ごとに違います。自分の職場で何が変わったかは、給与明細や職場の説明で確かめてください。
- 給与明細に「ベースアップ評価料」という項目が見当たりません。
- 項目の名前は医療機関が決めるため、「ベア手当」「処遇改善手当」などの名前になっていたり、基本給そのものに含まれていたりします。前年の同じ月の明細と、基本給や毎月の手当の額を並べて比べると分かりやすくなります。
- 訪問看護ステーションやクリニックで働く場合も対象ですか?
- 診療所には外来・在宅ベースアップ評価料、訪問看護ステーションには訪問看護ベースアップ評価料があり、看護職員も対象になります。介護施設で働く看護職員は介護報酬の仕組みになるため、手当の出方は事業所に確かめてください。
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