公立から私立へ移ると、教員の給与はどう変わる? 教職調整額・残業代・手当・賞与を分けて計算するシート

資格職の転職 公開 2026-10-02

夕方の光が差し込む学校の廊下

公立学校の教員の給与には、残業代のかわりに教職調整額がついています。2025年に成立した改正給特法で、この調整額は給料月額の4%から、令和12年度までに10%へ段階的に引き上げられることになりました。

一方、私立学校の教員には給特法が適用されません。公立から私立へ、私立から公立へと移るとき、同じ「月給」という言葉でも、中身の組み立てが違います。ここでは、両方を5つの欄に分けて年額にする計算シートを使います。

公立と私立では、給与の組み立てがどう違うのか?

欄公立学校私立学校
1. 給料月額自治体の給料表で決まる学校法人の規程で決まる。公立に準じる学校もある
2. 残業の扱い教職調整額(給料月額×率)労働基準法にもとづく時間外手当。固定の手当で払う学校もある
3. 手当条例で決まる(学級担任への加算も予定)規程による(担任手当・部活動手当など)
4. 賞与期末・勤勉手当規程による。月数は学校で差がある
5. 退職金退職手当の条例による学校法人の制度による

参議院の調査室の資料では、国立と私立の教員には労働基準法の時間外労働の上限規制が適用され、公立の教員には適用されないと整理されています。

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教職調整額は、いくら変わるのか?

調整額は「給料月額×率」です。給料月額30万円の人なら、次のようになります(例として計算した額です)。

  • 4%のとき:月12,000円
  • 10%になったとき:月30,000円

月18,000円、年に直すと21万6,000円の差です。調整額は退職手当の計算の基礎にも入ります。文部科学省の資料では、引き上げは令和8年から毎年1%ずつと示されています。なお、公立幼稚園の教員の調整額は4%のままです。

黒板の下に置かれたチョーク

計算シート:5つの欄を埋める

いまの職場と応募先を、同じ欄で並べます。

  1. 給料月額×12
  2. 公立:給料月額×調整額の率×12/私立:時間外手当の月平均×12(固定の手当なら、その額と何時間分か)
  3. 毎月の手当×12(担任手当、部活動手当、住居手当など)
  4. 賞与(前年度に実際に出た月数×計算の元になる額)
  5. 退職金(20年勤めた場合の目安額を、規程か面接で確かめる)

1〜4を足すと年額、5は長く勤めるつもりなら別に並べます。

私立の求人票で、確かめにくい欄はどこか?

いちばん書かれにくいのは2と5です。時間外手当が実際に何時間分払われているか、退職金がどの制度で積み立てられているかは、面接で聞かないと分からないことが多い欄です。面接で前の職場を辞めた理由をどう話すかは私立学校・幼稚園の面接で「前の職場を辞めた理由」をどう話すかに文例があります。

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今日やるとしたら

最新の給与明細を出して、欄1の給料月額と、欄2にあたる額だけを書き写してください。

公立なら調整額、私立なら残業の手当。その2つが分かれば、移った先の数字と並べる準備ができます。辞める時期の考え方は年度途中でも辞められるのかにまとめています。

よくある質問

私立学校の給与は、公立より高いですか、低いですか?
学校法人によって違うので、一概には言えません。公立に準じた給料表を使う学校もあれば、独自の規程で決める学校もあります。給料月額だけでなく、残業代の扱いや賞与の月数、退職金の制度まで並べて比べるのが確実です。
教職調整額の引き上げは、私立学校にも関係がありますか?
教職調整額は、公立学校の教員を対象とする給特法で定められたものです。私立学校の教員は対象外で、残業については労働基準法の規定が適用されます。ただ、公立の動きを参考に給与を見直す学校法人もあり得るので、応募先の規程で確かめてください。
私立幼稚園から公立の幼稚園や学校へ移る場合も、このシートは使えますか?
使えます。公立幼稚園の教員の教職調整額は、今回の改正では4%のまま据え置かれています。調整額の欄に4%で計算して比べてください。

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