薬剤師の年収は職場でどう違うのか。調剤薬局・病院・ドラッグストアの給与の中身を比べる
薬剤師の求人票を何枚か並べると、同じ資格なのに年収の幅がかなり違って見えます。
その差の多くは、基本給よりも手当と賞与の付き方から生まれています。職場ごとの給与の中身を分けて見ると、比べるべき点がはっきりします。
薬剤師の年収は、職場の種類でどう違うのか
職場ごとの傾向を、給与の中身で並べると次のようになります。個々の職場で差が大きいので、目安として見てください。
| 職場 | 給与で目立ちやすい部分 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 調剤薬局 | 管理薬剤師手当、地域手当 | 1日の処方箋枚数、人員、異動の範囲 |
| 病院 | 当直・夜勤手当、賞与、退職金 | 当直の回数、病棟業務の有無 |
| ドラッグストア | 基本給、店長・管理職手当 | 調剤併設か、登録販売者業務の割合 |
| 企業(製薬・卸など) | 賞与、昇給の仕組み | 転勤、職種(管理・学術・品質など) |
総額だけを比べると、残業代や当直手当で膨らんだ額と、基本給中心の額を同じに見てしまいます。必ず内訳で比べてください。
薬剤師の手当の種類
薬剤師の求人でよく見る手当は次のとおりです。
- 薬剤師手当・資格手当:資格を持っていることへの手当
- 管理薬剤師手当:薬局には薬剤師である管理者を置くことが法律で定められており、その役割への手当
- 当直・夜勤手当:主に病院。回数で月の額が変わる
- 地域手当・住宅手当:地方や人の集まりにくい地域で厚くなることがある
手当の名前が同じでも、額と支給条件は職場ごとに違います。

求人票の年収は、何を含めた額なのか
求人票の「年収〇〇万円〜」は、手当や想定の残業代、賞与を含めた額で書かれていることがあります。次の3点を確認してください。
- 月給の内訳:基本給と、固定で付く手当の額
- 賞与:「年〇か月分」は、基本給の何か月分か
- 残業代:固定残業代が含まれていないか、含まれているなら何時間分か
月給の中身の見方は求人票の「月給」に何が含まれているのかに詳しく書いています。
病院の薬剤師の給与は、今後上がるのか
厚生労働省は令和6年度の診療報酬改定で、医療機関の職員の賃上げにあてる「ベースアップ評価料」を設けました。その対象職員の一覧には、薬剤師も含まれています。
ただし、評価料を届け出るかどうか、どう配分するかは医療機関ごとに違います。面接で「ベースアップ評価料は届け出ていますか」と聞くと、賃上げへの姿勢が見えやすくなります。
年収を上げたいとき、何から考えればよいか
いきなり転職先を探すより、先に今の給与の内訳を把握するほうが、判断を誤りにくくなります。
- 今の年収を、基本給・手当・賞与・残業代に分ける
- 上げたいのはどの部分かを決める(基本給か、手当か)
- 今の職場で管理薬剤師や認定資格の手当が得られるかを確かめる
転職の時期については薬剤師が転職するならいつがいいかにまとめています。
今日やるとしたら
直近の給与明細を1枚出して、基本給と手当の額を別々に書き出してください。
それが、求人票と比べるときの物差しになります。
よくある質問
- 病院の薬剤師は、調剤薬局より年収が低いのですか?
- 一概には言えません。病院は基本給が抑えめでも、当直手当や賞与、退職金を含めると差が縮まることがあります。総額だけでなく、手当と賞与の内訳で比べてください。
- 管理薬剤師になると、どれくらい給与が上がりますか?
- 管理薬剤師手当の額は職場によって違い、求人票にも幅で書かれていることが多いです。手当の額に加えて、責任の範囲や残業の増え方もあわせて確認してください。
- 年収を上げるには転職しかありませんか?
- 今の職場で管理薬剤師や認定資格の手当を得る道もあります。転職で上げる場合は、今の給与明細で手当と賞与の内訳を把握してから比べると、条件の差が見えやすくなります。
この記事に関係する職業
仕事内容・平均年収・求人倍率は、それぞれの職業ページにまとめています。