退職前に有給休暇は全部使えるのか。断られたときの考え方と日程の組み方
退職を伝えたら、残っている有給を使ってから辞めたい。ただ、忙しい時期だと言い出しにくい。
退職前の有給消化は、会社が原則として断れない場面です。そのうえで、揉めずに使い切るための段取りを書きます。
退職前の有給消化は、会社に断られることがあるのか
会社には、有給の取得日をほかの日にずらしてもらう権利(時季変更権)があります。ただし、ずらす先は退職日より前でなければなりません。
退職日が決まっていて、残りの出勤日をすべて有給にあてる場合、ずらす先がありません。そのため、退職する人の有給申請には時季変更権を行使する余地がない、というのが労働局の説明です。
「忙しいから」「前例がないから」は、断る理由になりません。
まず残日数をどう確認するか
給与明細か勤怠システムに載っていることが多いです。載っていなければ人事に聞いてください。確認するのは次の3つです。
| 確認すること | なぜ |
|---|---|
| 今の残日数 | 最終出社日の逆算に使う |
| 次の付与日 | 付与日の後に辞めれば日数が増える |
| 時効で消える日数 | 有給の時効は2年。古い分から使われているか |
次の付与日が退職日の直前にあるなら、退職日を付与日の後に置くだけで使える日数が増えます。

最終出社日と退職日を分けて考える
有給を使い切る場合、「最終出社日」と「退職日」は別の日になります。
- 退職日:籍が抜ける日。社会保険や給与の締めはこちらが基準
- 最終出社日:退職日から、残りの有給の日数(所定の出勤日ぶん)をさかのぼった日
引き継ぎは最終出社日までに終わらせます。先に退職日を決め、そこから有給の日数を引いて最終出社日を出すと、上司にも説明しやすくなります。
転職先の入社日がある場合は、退職日を入社日の前日以前に置いてください。1日でも重なると、前の会社と新しい会社の社会保険に同時に入っている状態になり、手続きの調整が必要になります。
「消化させない」と言われたらどうするか
口頭のやりとりで終わらせず、有給の申請を書面かメールで出して記録を残してください。申請した事実が残っていれば、後で話がこじれても確認できます。
それでも認められない場合は、次の順で相談先があります。
- 社内の人事部門(上司の判断で止まっていることがある)
- 勤務先を管轄する労働基準監督署
- 総合労働相談コーナー(各労働局)
有給を取らせないことは法律違反にあたる可能性がありますが、最初から対立の形にしないほうが、残りの期間を穏やかに過ごせます。引き継ぎの日程を添えて申請するのが、いちばん通りやすい出し方です。
使い切れなかった有給は買い取ってもらえるのか
在職中の有給の買取は認められていませんが、退職時に残った分を買い取るかどうかは会社の判断です。義務ではないので、就業規則に定めがなければ応じてもらえないこともあります。
買取を前提に計画するより、使い切れる日程を組むほうが確実です。
今日やるとしたら
給与明細か勤怠システムで、有給の残日数と次の付与日だけ確認してください。
この2つが分かれば、退職日と最終出社日の候補が決まります。切り出すタイミングは退職はいつ切り出すかにまとめています。
よくある質問
- 退職前の有給消化を会社は断れますか?
- 会社には取得日をずらす権利(時季変更権)がありますが、退職日より後にはずらせないため、退職前の申請に対しては行使する余地がないとされています。
- 使い切れなかった有給は買い取ってもらえますか?
- 法律上の義務ではないため、会社が応じるかどうか次第です。就業規則に定めがあるか、まず確認してください。
- 引き継ぎが終わらないと有給を使えませんか?
- 引き継ぎを理由に取得を拒むことはできませんが、揉めずに辞めるには、有給に入る前に引き継ぎを終える日程を先に示すのが現実的です。
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